虹色に輝く橋
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何があっても決して泣かなかったなまえの目には涙が滲んでいた。
「…もう、やだ。全然、分かんない!」
顔を歪ませながら、真っ直ぐにジェイドを見つめる。
「ジェイドが本当に私のこと好きなのかも、私自身がどうなのかも…全然、分かんないよ!!」
歪んだ顔からは涙が流れ、なまえの頬を濡らしていく。再び、顔を膝に埋めて肩を震わせ声を押し殺して泣いている。
「(やりすぎましたね)」
そんな彼女を見てジェイドは後悔した。先ほどのなまえたちの会話をアニスから聞き、なら少し冷たくしてなまえに自覚させようと企んだのだ。少々荒療治だが、無自覚鈍感ななまえにはそれくらいがちょうどいいと高をくくっていた。さすがのジェイドも肩を震わせ声を押し殺して泣くなまえを見て後悔した。
「なまえ…すみませんでした」
頭を撫でながら謝罪の言葉を述べるジェイドになまえはゆっくりと顔を上げる。
「…やっぱり、私のことなんて好きじゃないんでしょ?」
流れ出る涙を拭おうとはせず、何度も頭を撫で続けるジェイドを見つめる。
「まさか、私はなまえを愛してますよ」
「―――じ、じゃあ…何で…」
躊躇せず臆面もなくはっきりと言うジェイド。あの冷たい態度はいったい何だったの、と物語るようになまえの瞳は涙を浮かべながら、揺れていた。
「押してダメなら引いてみましょうと思いまして…私が急に突き放したら、あなたは寂しいと思ってくれるか試しました」
申し訳なさそうに、眉を下げて言うジェイド。その言葉を聞いて、流れ続けていた涙も止まり、目は見開き口は開きっぱなしになっている。