触れられて始まる、恋物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
受け取った書類を小脇に抱えて部屋を出る際に声がしたがあえて無視した。
「仕事は速いんだから、さっさと終わらせてから遊べばいいのに」
と、ぶつぶつと呟きながら軍基地本部への道を歩く。照り返す日差しに頭がくらっとする。書類が届くのが遅れると、私がイヤミを言われるのだ。
陛下は分かっててやってるんじゃないかと思う。
私があの人を苦手にしていることを。いつも何かに付けてイヤミを言われるのだ。きっと今日も言われるに違いない。はぁ~と今日何度目か分からない溜息を目的地の扉の前でつく。
こんこんこん。
「なまえ・ティエリ少尉です」
「…どうぞ」
がちゃりとドアを開けて入れば、机に向かって山積みにされている書類に目を向けているこの部屋の主がいた。彼の名はジェイド・カーティス大佐、私の上司だ。死霊使いと称され、恐れられているが、これでもピオニー陛下の幼馴染で、”皇帝の懐刀”とも言われている。
「遅くなりました」
一言だけ口にして、先ほどの書類を机の上に置く。ようやく彼の顔がこちらを向く。
「ご苦労様です。今度はもう少し早く持ってきてください」