ご主人様は貴方だけ
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状況なんて詮無きことにございます
「お呼びですか、白夜様」
チリン、とベルの音が鳴れば颯爽と側にお寄る。ご用命を聞き、それを実行するのが私の仕事。それはこの閉ざされた空間でも変わることはない。変わったのは主人ではなく環境なのだから。
「茶を入れてこい」
「かしこまりました」
私の主人の名前は十神白夜。十神財閥の御曹司。彼の超高校級の名もそれになる。別名は超高校級の完璧。その名の通り眉目秀麗で何事に置いても完璧にこなすことからその名も付いた。唯一問題をあげるのなら性格なのだけど、それは一族や経済界でもトップになる者としては必要不可欠なもの。それをこの年にして備わっているのだ。
「今日もご苦労様」
「苗木様もお茶ですか?よろしければ白夜様のと一緒にお入れしますが?」
キッチンにて白夜様用のコーヒーを入れつつ、朝のうちに作っておいたスコーンを温める。するとそこに苗木くんがやって来た。正直、容姿や頭脳は普通なだけどとてもいい人。いやいや、彼を侮ってはいけない。あの白夜様を脅かす存在になりえる才能を持っているのだから。
「なまえさんの美味しいコーヒーが飲めるのは嬉しいけど、ボクの分まで入れるのは大変じゃない?」
「大丈夫ですよ」
一人二人増えたところで大して変わりません。そう言えば苗木くんは、じゃあ頼もうかなっと笑いました。可愛らしい人だ。男性に失礼かと思うけど、笑った顔はすごく可愛い。不二咲さんと並んで二大小動物呼びたい。
「ではお席でお待ち下さいね」
そう言うと、苗木くんはキッチンから出て行く。折角ですから苗木くんの分のスコーンも用意しよう。余分に作りすぎちゃったし。
「お味は如何でしょう?」
「うん、とっても美味しいよ!」
白夜様のお茶を出した後、苗木くんの分のコーヒーとスコーンを用意して運ぶ。それを苗木くんが口に運び、私は感想を求める。それなりに自信があるから答えはわかってるけどね。
「すごく美味しいよ。ありがとう」
「いえ、お気に召していただけたなら幸いです」
本当にいい人。こんな素直な感想を言ってくれるのだから。誰かさんにもそれを見習ってほしいものだ。まあ無理だろうけど。