すいーとらばー
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「どうしたんだよ、そんなにぼーっとして」
具合でも悪いのか?と問われて何でもないと首を横に振る。しまったしまった。
「それとも何かあったのか?」
凄く心配そうにしてくれる。気に掛けてくれる優しさに何だか申し訳なくなる。呼称とかそういうのはさして気にする問題じゃないのに。でもやっぱり気になって。
「あのね……どうして、創くんは私のこと苗字で呼ぶの?」
思い切って聞いてみる。どんな風に返されるかは不安だけど、この先ずっとは嫌。
「何でって、なまえはなまえだろ。逆に何でそんな事を聞くんだ?」
天然かコイツは。おもわずそうツッコみたくなった。たぶん深い意味はないんだろうな。逆に聞いちゃうんだ。
「だ、だって、私は名前で呼んでるし……付き合い始めて三ヶ月も経つし……」
名前で呼んで欲しいなぁ、と言う声が段々小さくなる。もの凄く恥ずかしいこと聞いてる気がしてならない。私ってこんなに乙女だったっけ?恥ずかしくて顔が熱い。思わず反らした視線を創くんに戻す。
「……創くん?」
見ると創くんの顔も赤かった。最初は夕日のせいかなって思ったけど、そうじゃなかった。視線を泳がせ、口元に手を置いて。
「そ、そのな……お、俺も呼ぼうとは思うだけど……」
いざとなると恥ずかしさが増して……と顔を真っ赤にしながら言った。こんな創くんを見たことなくて、伝染したかのように私の顔の熱が増す。か、可愛いと思ってしまった私はおかしいのだろうか。
「そりゃ、恋人同士だし……呼びたいとは思うんだが」
「じゃあ、呼んで」
呼んで欲しい。創くんに名前で呼んで欲しい。
「……[#dc=2#]」
たった一言。彼の口から私の名前が発せられただけで胸がいっぱいになる。ただ名前を呼ばれただけなのに嬉しくて嬉しくてどうにかなりそう。
「お、おい![#dc=2#]!?」
嬉しさと恥ずかしさでいっぱいになりすぎて、真っ赤になった顔を見られたくなくて思わず創くんに抱き付く。抱き付いてからそれも恥ずかしいことだと気付いたけど、創くんが背中に手を回してきたから離れることは叶わなかった。