すいーとらばー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
好き、だから呼んで欲しいの
「じゃあ、また後でな。なまえ」
予鈴が鳴り、少し惜しみながら教室を出ていく創くん。休み時間の度ではないけど、昼休みは必ず私の教室へと足を運んでくれる。
「相変わらず仲がいいね」
「そうかな」
創くんが出て行った後、前の席の真昼ちゃんが振り返りクスクスっと笑う。
「付き合い始めてどれくらいだっけ?」
「ちょうど、三ヶ月かな?」
一年の時同じクラスだった。最初から仲が良かった訳じゃないけど、何となく話すようになったら結構意気投合して、二年に上がってから告白された。クラスが離れて、話す機会が減ってそれが嫌だと思ったから告白したって言ってたのももう三ヶ月も前。当然、私も気になってたし好きって思ったからOKした。
「一番いい時期で一番悪い時期でもあるね」
「ふ、不吉なことを言わないで」
三が付く頃がヤバいとは言うけど。それを言われると何だか不安になる。創くんに限っていきなり別れようとか言わないと思うし。さっきもわざわざ会いに来てくれたし。
「そういえば、[#dc=2#]は日向のこと名前で呼ぶのに、日向はまだ名字呼びなんだ」
グサッとくるとこを突いてくるな、真昼ちゃん。そう、そうなのだ。私は一ヶ月目から『日向』くんから『創』くんに変えた。その方が恋人らしいって思ったから。別に呼称にこだわりがある訳じゃないけど、少しは特別な呼び名が欲しい。変なあだ名は困るけど。
「まぁ、そうなんだよね」
創くんは基本、男女関係なく名字で呼び捨て。側にいないときなら先生すら呼び捨てにするほど。彼が誰かを名前で呼んでるところは見たことがない。
「言ってみればいいじゃない。案外、日向もそう言ってくれるの待ってるかもよ」
「そ、そうかなぁ」
創くんにそういう雰囲気を感じられないんだよね。結構まめな方だとは思うけど、恋人同士らしいというかイチャイチャするイメージがわかない。
「あれ?私と創くんって付き合ってるんだよね?」
「あたしに聞かないでよ」
そりゃそうだ。これは、言えないな。名前呼びもまだだけど、キスもまだとは。でもそれってみんなどれくらいでしてるんだろう?そんな事を午後の授業中ずっと考えてた。