一人は嫌なの、傍にいて
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怖かった。居なくなってしまったと思って、怖かった
「……誠まで……いなくなっちゃった」
さっきの裁判で誠が処刑された。正確にはモノクマが行おうと思っていた処刑で誠がいなくなった訳じゃないけど、地下にあるゴミ捨て場に落とされた。モノクマに誠は助からないのか聞いてたら、ムリムリ助からないよ!と楽しそうに言って去っていった。
「……みんないなくなっちゃう」
食堂へと行く言う朝日奈ちゃんたちと別れ、私は一人で脱衣所へと向かった。一人になりたかったというのが一番。誰も何も言わないし追ってこなかった。私と誠の関係性を知ってるから気を遣ってくれてるんだ。どれくらい時間が経ったかわからないけど、ずっと椅子の上で膝を抱えて座っていた。
「……誠」
記憶が確かならだけど、ここに来て少しした後に響子さんが来た。現実が受け入れられなくて、あの時は来た気がする。その時に、まだ諦めないでと言われた。何を?と問う前に響子さんはいなくなっていたから、気がする何だけど。
「なまえ」
ああ、とうとう幻聴まで聞こえてきた。ヤバいなぁ、私ってばここまで来てたんだ。このままおかしくなっちゃうのかな。一生、外に出られないまま、死ぬまで。
「なまえっ!」
再び聞こえた声に、ハッとして目を見開く。目の前にはここにはいないはずの誠の姿。顔やら服やらが汚れているけど、確かに誠だった。
「……まこ、と……?」
紛れもなく誠だ。でもなんで?だって確かに落ちた筈なのに。モノクマも助からないって言ってたのに。実は夢なんじゃないかと自分の頬を叩いてみる。
「なまえ!?何やってるの!」
「痛い……夢じゃない……」
呆けた顔でそう言うと、当たり前じゃないか!とまた怒鳴られた。だってだって、信じられなかったんだもん。目の前で消えちゃったんだもん。そう簡単には信じる事が出来ない。
「ど、どうしてぇ!?」
やっと認識できて出てきた声は涙声だった。誠が死んじゃったと思ったときでさえ、涙は出てこなかったのに。不思議なことにその時は泣かなかった。なんだけど、今は……ボロボロと流れ出てきて、誠はそんな私を見て慌てだした。