小さな小さな片思い
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「みょうじさんはよくここにいるの?」
「……えっと、週二回くらいかな。十神くんがいる日は大体かな?」
曜日が違うときは会わないけど、二週間空くことはない。うーん、やっぱりさっきのは聞き間違い……あれ?
「苗木くん。私の名前知ってるの?」
「うん。みょうじなまえさんだよね」
フルネームで知ってくれてたんだ。嬉しいけどどうして知ってるんだろう?苗木くんはある意味有名人。私はこの学園では平凡なのに。
「図書室にいつもいるから、覚えちゃった」
確かに、誰が係りかわかるように机にはネームプレートが置いてある。けどいつの間に見たんだろう。
「前々から話してみたいって思ってたんだ」
「わ、私と?」
これは何のフラグ!?苗木くんも私と話してみたかったって。いや、落ちがきっとあるはず。期待しちゃ駄目だよね。
「うん。十神くんを迎えに来るといつもいたから気になってたんだ」
傘もそう意味で貸したんだよって言われた。ドッキリのカメラは何処ですか!?こんな都合のいいことが起こるわけがない。誰かが仕組んだんだ。
「えと、その……うん」
どう返事をしたらいいのかもわからない。きっと私の顔は真っ赤だ。だってひっそりと片思いしてる相手にそんなことを言われたら期待しないわけがない。これでドッキリでしたったら私は卒倒して立ち直れないだろう。
「そういえば僕の名前も知ってくれてたんだ」
「だって、有名人だもん」
何だかんだで。苗木くん自体もいつも囲む周りも。だから知ってる人は当然知っているわけで。
「顔真っ赤だね」
「ふへっ!?」
突然手を伸ばして私の頬に触れる。ビックリして肩を竦めてしまう。余計に熱が上がってくる。な、苗木くんってこんな人だったの。にっこりと笑う顔はいつもみたいに可愛いものじゃなくて、ちゃんと男の子で。
「苗木。待たせたな、行くぞ」
「あ、十神くん」
心臓がバクバク言っていると資料室から十神くんが出てきて颯爽と図書室から出ていった。
「これ。よかったら連絡して」
と手握らされたのは小さなメモ。中を開けば電話番号とメールアドレス。ハッとして苗木くんを見たけどもういなかった。うん、夜にメールして見よっかなって密かに心に決めた。
片思いが実る寸前
(ドキドキが止まらない!)