それは君の勘違い
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「セネルはシャーリィとクロエ。どっちが本命なの?」
あたしの質問にセネルはちょうど口に含んでいたコーヒーを吹き出した。
「な、なななっ!?」
「汚いなぁ」
すぐ顔を背けてくれたとはいえ、足に吹き出したコーヒーが掛かってしまった。彼を少し睨みながらハンカチで汚れた箇所を拭く。
「なまえが変なこと聞くからだろ!」
「見てる方はやきもきするんだもん。男ならハッキリした方がいいよ」
セネルはシャーリィだけに優しかったけど、今回の旅でかなり変わった。仲間に気を掛けられるようになったし、持ち前の兄貴気質も上手く発揮できてるし。その中でも元々セネルが好きだったシャーリィに加え、クロエもセネルに惚れちゃったし。それを互いにわかってるからか微妙にギクシャクもしてる。
「それで?」
「お、俺は……」
顔を真っ赤にしたセネルは視線を巡らせてはチラリとあたしを見ては視線を逸らす。
「セネル?」
辺りをぐるりと見回した後、意を決したようにジッとあたしを見つめる。こんな風に見つめられる事なんてなかったからちょっとドキリとしてしまう。
「俺は……俺が好きなのは、なまえだ!」
手を掴まれ、ハッキリとした口調で言われた言葉にあたしの思考は固まった。今セネルはなんて言った?誰が誰を好きって……あ、れ?
「え、えっと……セネル?」
「な、何回も言わないぞ」
そう言ってあたしに自分の顔を近づける。目の前に来たと思ったら、あたしの唇にセネルのそれが触れた。初めてのそれにあたしは目を開けたままで、ハッと気付くと未だ顔が真っ赤なセネルがいた。
「ふえぇぇぇーっ!?」
まさかまさかの展開にあたしはただ驚愕するだけだった。予想だにしてなかった。セネルのか感染したかのようにあたしの顔も真っ赤だろう。
「じゃあ……俺はもう行くから」
「ちよっ!」
逃げるかのように走り去っていくセネル。置いてかれるかのようにあたしは彼の去っていったほうへと手を伸ばす。
「え、えっと……どうしよう……」
今までそんな風に見たことがなかった。けど、困った。
「……反則だよ、それ」
あたしの頭の中はセネルでいっぱいになってしまった。当然意識しないわけがなくて、彼のアタックに負ける日はそう遠くはない。
それは君の勘違い
((好きなのは君なんだ))