それは君の勘違い
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だって、そんなの誰も思わないじゃない……
「あとは……」
手に持ったクリップボードを見る。まだ見回ってないところがないかの確認。たまに行き忘れがあって後でウィルに怒られる。いや、言葉で怒られるならまだいい。脳天に響くようなあの拳骨だけは避けたい。なので最近は巡回路を書いた紙をクリップボードに付けて確認しながら回っている。ついでに何かあったときはそれにメモって報告も出来るし。
「……てか、これってあたしの本来の仕事じゃないよね?」
よくよく考えてみるとこれは保安官の仕事であって軍人の仕事じゃないよね?仮にもあたしは源聖レクサリア皇国の聖皇陛下の護衛なのに、ここ数ヶ月はずっとこんな調子な気が……これはあの戦いのせいなのかな。
「はぁ」
「何溜息ついてるんだ?」
がっくりと項垂れるて、意気消沈の気分に覆われているとふと頭上から声が。視線の先に人の足が見え、聞き慣れた声に顔を上げる。目の前に立っていたのはつい最近まで一緒にこの遺跡船を旅し共に戦った仲間であるセネルだった。もの凄い怪訝な表情なのはあたしのせいかな。
「自分の行く先の不安?」
「なんで疑問系なんだ」
ヴァーツラフとの戦い、煌髪人と紛争と和解が落ち着いてからと言うものあたしは軍人らしい仕事など何一つしていない気がする。このままでは遺跡船の保安官になって終わってしまう。誇り高き聖皇陛下の護衛という職務を果たせない。まあ、陛下がこちらにいる間はあたしもここで過ごすんだけど。
「セネルは何してたの?」
「最近は大陸からも人が来るようになっただろ?」
だから大陸からきた連中を街まで案内と護衛をやってたんだ。これはもうマリントルーパーの仕事じゃない。とさっきのあたしのように溜息を吐きながら説明した。
「これから休憩だ。なまえ、昼は?」
「これからだよ」
午前の巡回のチェックをしたら食べに行こうと思っていたところだ。
「なら一緒に食べないか?」
「いいよ」
お互い仕事もあるから前のように常に一緒ということはない。街でたまに会うか、交代でセネルを起こしに行ったときくらいしか顔を合わせないし。同じ……ではないか……保安官のウィルはともかく他のみんなともそうそう顔を合わせない。