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「……あなたは、兄さんに同情して何の目的もなくこの旅についてきたと思ってました」
それは、間違いじゃないけど、正解でもない。ちょっとヒューバートと似たような、分かり難い言い回しだけど。
「パスカルさん以上にふざけた人だとも思ってました」
「……それは、嫌だね」
パスカルほど適当に生きてないよ。仮にも騎士を目指してたんだから。学校は退学になっちゃったからもう騎士にはなれないけど。
「必死に生きている、という事と誰かのために戦っていることを今改めて知りました」
「……生まれた以上はね、生きたいと思った。私を助けてくれた騎士やアスベルの為にわたしも騎士になろうと思った」
せっかくこうして息して動いてる。まだ生きている。フェンデルでは厳しい極寒の中で生きてる人がいる。わたしだって生きたい。アスベルはこんな境遇のわたしに優しく手を差し伸べてくれた。みんな、側に寄ってこなかったのに。だから、困ってる彼を助けたいとは思った。
「第一印象だけで決めつけてはいけませんでしたね。申し訳ありません」
「わ、わたしだって……ヒューバートのこと怖い人だと思ってたし」
慌てて首を横に振る。だけどなんだかんだで兄思いだし、周りをよく見てるし、態度が誤解を招くだけなんだ。わたしと一緒で過去のことが一線を引いちゃうだけなんだ。
「えへへ。なんかヒューバートのことも少しわかった気がして嬉しいね」
こんな風にお喋りができるとは思わなかった。これはシェリアに感謝しないと。もしかしたら旅が終わるまでぎこちないままだったかもしれないし。あれ?ヒューバート、顔が真っ赤だ。どうしたんだろう?
「ヒューバート?」
「な、なんでもありません!行きますよ!」
急に手を取られて引っ張られる。思わず荷物を落としそうになるのを堪えて歩き出す。耳まで真っ赤なヒューバートの手は温かい。また一つ彼を知った気がする。
「ありがとう」
彼の隣へと少し足を早める。まだ照れているヒューバートはチラッとだけ視線を向けて、どういたしまして。と言ってくれた。最初から、ちゃんと話してみればよかった。したらお互いにこんな勘違いしなかったね。軽く触れた肩が、なんか照れくさかった。今の彼の印象は……優しい人。
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((どうしよう…気になりだした))