眠りに誘うのはあなたの温もり
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「……本当に、寝てるんだよな」
言われたとおりなまえを部屋へと運ぶ。ベッドの端に座り、彼女をもう一度膝枕で寝かせる。そして、ふとあることに気が付く。
「膝枕……してなかったのに起きない」
この部屋に運ぶために膝枕を止め、抱き上げて連れてきた。その間一度も目を覚ましていない。アルヴィンが膝枕したときはすぐに目を覚ましたというのに。
「……俺だからか?」
そう思ったら急に恥ずかしくなってきた。他の誰でもなく、自分が触れているだけで彼女が眠れていることに。理由はわからないけど、自分だけが特別だと思うと何だか嬉しくなってきた。
「……るどがー」
「――っ!?」
髪の毛を梳くように撫でていると、ふいに自分の名を呼ばれて驚く。慌ててなまえを見ると眠ったままで、どうやら寝言のようだった。急に自分の名を口にするものだから更に恥ずかしくなり、顔が熱くなるのを感じるルドガー。
「勘違い、するだろ」
スヤスヤと眠るなまえの頬を撫でる。自分が触れていれば彼女は寝られる。そんな状態での寝言は卑怯だとも思えた。意識するなと言われても無理な話なわけで。
「……りゅどがー」
「……なまえ、襲うぞ?」
呂律は回っていないものの再び名を呼ばれ、少々理性が飛びそうになる。本当は起きるのではないかと、耳元でわざと声音も低くしてそう言ったが反応はない。ということはやはり完全に寝ているのだろう。
「…くしゅん」
理性がなくなる前に離れた方がいいかと悩んでいると、ルドガーの膝の上のなまえがくしゃみをして寒いのか体を丸める。ベッドの端で眠っているから体を丸めるとベッドから落ちそうになり、それをルドガーが支える。
「………」
しばし考えた後、ルドガーはなまえの体を抱き抱えベッドの中央へと寝かせる。はぁ、と息を吐けばなまえは意識が戻りかけているのか何度も寝返りを打つ。
「もうどうなっても知らないぞ」
人の気も知らないで、そう思いながら自らの体もベッドへと滑り込ませる。そしてなまえの体を抱き寄せて、彼女と同じように目を閉じた。