孤独な君に証を示す
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「どうして……?」
わたしを心配するの?わたしは何が怖いの?わからない。ルドガーの胸元に手を置き、顔を上に向ける。抱きしめられたままだから、離れることは出来ないけど。
「[#dn=1#]のことが、好きなんだ。だから、離したくない」
真っ直ぐに見下ろされた目は真剣で反らすことが出来なかった。その翠の瞳に吸い込まれそうで。
「わたしを……好き?」
ルドガーの言葉を思い出す。あまりに縁のない言葉に一瞬にして記憶から飛んでいて。ルドガーが、わたしを、好き?
「なななな、何を……い、い、言っているの!?」
何をどう考えたらそうなるの?だって、わたしを好きになる人なんて、いないはずです。わたしみたいな人間、誰が好んで好きになるというのでしょう。
「[#dn=1#]は知らなかっただろうけど、学生時代から好きだった」
「でもルドガーは、ノヴァのことが好きだって……聞いてました!」
そうです。誰かが言っていたのをたまたま聞いただけのだけど、いつだかユリウスさんも言っていた。それなのに。
「それは……そういうときもあったけど。ある時から、ずっと気になってた」
何度も離れようとしたけど、離してくれなくて。仕方なくそのまま彼の話を聞く。したら、ふと気付くとわたしはいつも一人でいて、時折寂しそうな悲しそうな顔をしていると。何気なく、わたしのことを見続けていて、気付いたら好きになってたって。卒業前に告白しようとも考えていたけど就職に失敗したショックで出来なかった、と話してくれた。
「見てるだけで、好きになれるのですか?信じられません」
そうです。そんな事で人を好きになったなんて言われても信用できない。わたしを引き留めるために無理矢理こじつけた理由です、きっと。
「どうしたら、信じてくれるんだ?」
どうして、そんなに一生懸命になれるのです。適当に、上手く流せばもっと楽に生きられるのに。ルドガーがそんなに必死にわたしを引き留める理由は、本当にわたしが好きだからですか?
「では、ルドガーの言葉が本当だという、証拠を見せてください」
わたしがこれをしてみろと言えばルドガーはするかもしれない。でも、ルドガーがわたしを信用させるために何をしてくれるのか。それを示してくれないことには出来るものも出来ない。睨みつけるように視線を向ける。するとルドガーは、いいんだな?とわたしの頬に手を置いた。そして――