孤独な君に証を示す
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「なまえっ!」
そうしましょ、と時間を潰すために歩き始めたときだった。後ろから大きな声で名前を呼ばれたのは。振り返ると肩で息をしているルドガーだった。
「……見つかっちゃいました」
「何処に行くつもりなんだ!?」
なんか、慌ててる。よくわからないでいるとルドガーは側に寄ってきてわたしの手を掴む。反射的に振り解こうにも思ったより力強く掴まれていて解けなかった。
「何処って……また一人でやっていこうと……」
「だからって黙って出て行くことはないだろう!」
珍しく声を荒げるルドガーに驚いてしまう。ユリウスさんや今彼の周りで起こっている事に関してではそういうこともあったけど。
「みんな、心配してる」
ルドガーは空いてる手でポケットからGHSを取り出してメールを打つ。ジュードたちにわたしが見つかったと報告してるのでしょう。
「ルドガー。わたしはあなたたちの旅には邪魔になります。わたしには、あなたたちと同じ様にはできません。だから一人に戻ります」
一人が長すぎて、誰かと連携を取ることが出来ない。未だに誰ともリンクをしたこともない。
「嫌だ」
「はい?」
首を振る彼に、わたしは首を傾げる。嫌だって、まるで子供のよう。
「なまえを一人にはさせない」
「ルドガー……」
何を言ってるの?と問う前に掴まれた手を引かれる。油断していたせいで踏ん張ることも出来ず、わたしは前へと倒れそうになる。そんなわたしをルドガーが受け止め、そのまま抱きしめられる。
「俺はなまえを邪魔なんて思ってない」
「でも、わたしはやり方を変えられないもの」
他のやり方を知らない。だってずっと一人だったから。こんな大勢の人とずっと一緒にいたこともなかったから。
「今はそれでいい。いずれ変われる」
「変わらなくていい」
そんな自分、想像できない。例えば、レイアのような元気で前向きな自分。考えようとするだけで脳内で拒否してる。変わるのは、怖い。知らない自分は嫌。
「それでも、なまえを一人にしたくない」
どうしてルドガーはわたしを引き留めるんだろう。どうして、そんなに一生懸命なのだろう。わからない。でも、なんか……変。