孤独な君に証を示す
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「うーん。わたしは場違いなのですね」
誰もいない宿の部屋。レイアは会社から連絡が入って退室。エルとエリーゼは一緒にお風呂。男性陣は知らない。一人になって改めて考えてみる。どうやらわたしはみんなとは考え方が違うようです。ルドガーはともかくジュードたちは前にも一緒に旅をしていたから同じ様な考えになるのかもしれない。わたしは……ずっと一人だったからよくわからない。
「……潮時、ですかね」
幼い頃に両親……というか一族を流行病で亡くしてからは幼いながらもクエストで生計を立てていた。将来的に必要になるだろうと学校もクエストの報酬で通った。出席日数はギリギリだったけど卒業した。ルドガーともその学校で出会ったけど別に仲が良かった訳じゃない。だから、ここで別れてもきっと、大丈夫ですよね。
「思い立ったが、です」
少ない荷物を手に部屋を出る。ロビーへと足を向けようと思ったけど、すぐに足を止める。もしかしたらロビーに誰かいるかも知れない。ロビーの側にあるバーならアルヴィンやガイアス、ローエン辺りがいる可能性がある。
「ちょっとはしたないですけど」
廊下の一番奥へと足早に移動して窓を開ける。ちょうどいいことに荷物が段々に積み上げられていて降りるには楽でいい。
「黙って行ってごめんなさい。さようなら」
エレンピオスにいる限り再会する可能性はあるけど、大して高くない筈。少し気がかりなのは、多大な負債を背負ったルドガーとそれを支える幼いエル。罪悪感はなくはない。ですが……いえ、わたし一人いなくても彼らの旅に支障はないでしょう。
「……さすがに列車はもうないですね」
三十分ほどまえに最終列車は出てしまったようです。かと言って宿に戻るのも無理です。わたしが荷物を持っていなくなったのは気付いているでしょうし。
「困りました」
街にいては捜しに来られるかも知れない。まあ来ないかもしれませんが。街の外で一人で野宿というのは進められたものではありませんし。
「お金を払って民家……も無事とは思えませんね」
クエスト専門の何でも屋と知られたら寝てる間に何をされるかわからない。今日は様子を見つつ夜中に宿に戻って別の部屋を手配しましょう。彼らが出て行った後にわたしもチェックアウトすればいい。