孤独な君に証を示す
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わたしの運命はどの選択肢で変わったんでしょうか?
「やぁっ!」
短剣を薙払い、バックステップで後方へと飛んですぐさま左手の銃を連射させる。それで絶命してはくれず、魔物は最後の力を振り絞ってわたしへとその大きな鉤爪を振りかざす。間合い的にもタイミング的にも避けるには間に合わない。仕方ない、片手で受けて短剣を突き刺そうと瞬時的に判断する。けど、そんなわたしの前に誰かが割り込む。
「鳴時雨っ!」
それはルドガーで、彼の放った技によって今度こそ魔物は絶命した。
「大丈夫か?」
「ありがとう。大丈夫です」
ホルダーと鞘のそれぞれに武器をしまい、助けてくれたルドガーに頭を下げる。気にするな、と微笑んではくれるけど、笑顔と言うよりは苦笑に近かった。その意味がわからずわたしは首を傾げてしまう。
「なまえ、無茶しすぎだよ」
「今、左手を犠牲にしようとしたでしょ?」
わたしたちへと近寄ってきたレイアとジュードに諫められてしまった。特にジュードの言葉にはルドガーも頷く。そう言われても、わたしは困ってしまう。
「でも、ああするしか思いつかなかったので」
「それをフォローするために俺らがいるんだろ?」
「そうですよ」
いつの間にかアルヴィンやローエン、エリーゼたちも側にいた。あら?わたし、みんなに囲まれてる?
「一人で突っ込むのは駄目です」
「危ないよー!」
子供にまで怒られてしまいました。そんな無茶をしたつもりはないんだけど、考え方の違いなのかな。
「どうしても一人の時の癖が抜けなくて……」
「今は俺たちがいることを忘れるな」
仕方ないです。と続ける前に今度は王様に怒られました。自分が間違っているという認識がなくて、いつもみんなに迷惑を掛けてしまう。
「これくらいにして、先に進もうか」
「そうだね」
わたしたちは足を止めるわけには行かない。いいえ、わたしは成り行きでついてきているのだけど。カナンの道標を持って逃走してしまったユリウスさんを捜してるのだけど、その前にルドガーの借金を返済しなければいけない。
「………」
謝ることも出来ず、項垂れたままみんなについて行く。そんなわたしを彼が見ていたなんて気付かなかった。