だからそこで笑っていて
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「や、やめてよ!恥ずかしい!」
両手で顔を覆い照れるなまえは可愛いと思ってしまった。こうして二人きりで話をしたことがなかったが、話してみると新しい一面が見れて楽しい。
「また歌ってくれないか?」
「無理むりムリっ!ルドガーに聞かせるようなもんじゃないよ!」
うぅ~と顔だけでなく手まで真っ赤にさせる。
「ルドガーって意外とタラしの才能あったんだね……なまえ、一生の不覚」
項垂れるながれ頬を膨らませるなまえ。そんな彼女を見てルドガーは無意識にまだ赤いその頬に手を伸ばす。
「ふへっ!?」
「なまえはやっぱり笑顔の方がいい」
頬をひと撫でして微笑むルドガーはいつもと違って見えた。仲間と言うよりは一人の……そう頭に浮かんだ瞬間、ぶんぶんと頭を振るなまえ。今何を考えた!?と引き始めた熱が再び帯びる。
「なまえ」
瞬間なんだ。時間なんか関係ないんだ。理解してしまえばもう仕方ない。愛しくてたまならなくなる。口元が緩むのがわかる。彼女は自分のせいで顔を真っ赤にしてるんだ。
「笑ってくれ」
自らも笑みを浮かべ続ければ、なまえはキョトンとする。戸惑いながらぎこちない笑みを浮かべ始める。最後にはいつものように太陽なような笑顔を見せてくれ、ルドガの心は満たされる。
「うん、なまえは笑顔が一番だ」
「ルドガーの天然馬鹿……でも、ありがとう」
自分は慰められてると気付いたのは今。でもただ慰められたわけじゃない。それと、いつもの彼とも違う。けどそれが自分が原因なんて思わないなまえ。
「絶対に、絶対に守るから……側にいてくれないか?側で笑っていて欲しい」
隣に座る少女の手を取る。彼の言葉の意味がすぐに理解できず、何度も瞬きさせる。一つ一つ言葉を頭に巡らせる。そして、理解したときええーっ!?と大声を上げた。
「元の世界に帰りたいと思いたくなくなるくらい……俺が側にいるから」
ルドガーの言葉に嘘偽りはない。目を見ればわかる。真っ直ぐ見つめられて言われた言葉。ただうるさい自分に言われた言葉。思わず頷いてしまったけど、それにも嘘はない。この人なら平気だって。夕日色に染まりながら二人が重なった。
だからそこで笑っていて
((絶対に離さないから))