だからそこで笑っていて
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「な、なに……いって……」
「我慢しなくていい。そう思うのは当たり前だろ?」
知らない世界に一人で放り出されたなまえ。家族や友達に会いたと思うのは当然。ましてやなまえの世界では魔物は出ないという。魔物との戦闘はあの列車の中が初めてだと。怖くて泣いていいのに弱音を吐かず、逆に怯えるエルを励まし続けた。今思うと、そんな彼女はすごくいじらしい。
「それともなまえは自分の家に帰りたくないのか?」
未だ目を泳がせるなまえにルドガーは更に問う。みんなには見せなかった先ほどが本心ではないか、と。だけどそれをルドガーは自身の口から明確な言葉では聞けなかった。口を開こうとした瞬間、少し怖かったからだ。何が?自問自答をしてる最中でもなまえは返答に困っていた。
「……そりゃ、生まれ育ったところだし、帰りたいけど……でも帰りたくないというか……」
ごにょごにょと小声で話し始めるが、上手く言葉が纏まらないのかしまいには、うおぉぉーっ!と両手で頭を抱え始めた。
「向こうにもやり残したことはあるし、やりたいことはあるけど……居場所はないから」
一気に飲み物を口にし、はぁと息を吐く。最後の言葉にルドガーは目を丸くした。居場所がない……どういう意味なのかと。
「私ね、孤児なんだ。両親いなくて親戚の家に住んでるの。みんな優しいけど、血は繋がってるけど……それでも居づらい」
本当はね知ってるんだ。私を煙たがってるの。親戚だから世話してやってるだけなんだって話してるの聞いたことあるの。と今まで全く聞いたことのなかった事を話し始める。喧しいくらい元気なで明るさだけならレイア以上のなまえの隠された事実に驚愕するルドガー。
「さっきの……歌はなまえの世界の歌?」
自身でもわざとらしいと思いつつ話を反らす。いや、わざでもなく、歌も気になっていたは事実だ。
「え、ああ……うん。聞いてたんだ」
「上手いな」
恥ずかしいなぁと後頭部を掻くなまえにルドガーが笑みを浮かべてそう言うと、なまえはぼっと顔を真っ赤にさせる。
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