空から君へ
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「きっと君は、ジュードを殺しても同じように苦しんだだろうな」
いざという時に非道になれない。そういうタイプだ。図星だったのか、ハッと顔を上げる。
「どんな理由でも、正当化しても後悔は自身の責任だ」
一生ついて回るだろう。それが後悔なのだから。そう告げれば、どうすればよかったんだよ!と腕を引かれベッドへと倒される。ベッドに手を着くアルヴィンを見上げれば怒りに満ちていて、でも泣きそうな顔。
「言ったはずだよ。君には君の、私には私の道があると」
だから、それは君の意志だ。誰かが示すものではないんだよ。
「故郷に帰りたいと願う君の気持ちは、わからなくない」
私自身。この世界に来てだいぶ経つが帰れる手立てなどない。二十年も帰れず、恋いこがれていた彼に比べたら私は大したことないのだろうけど。
「……なまえ」
「私は君を否定しないよ。嫌いにもならない」
そっと頬を撫でてやる。血の気が引いた顔は冷たかった。
「肯定もしないけどね。でも……世界が君の敵になっても、私だけは味方でいてやるさ」
なんでそう思ったかわからない。けど自然と言葉は出た。次の言葉を紡ぐ前に口は塞がれてしまった。その行為自体は知っていたけど、こんなに苦しいものだと思わなかった。一瞬にも近い、時間唇が解放されると思い切り口を開いて息を吸う。その瞬間を狙っていたかのようにまた唇を塞がれ、先程より深くなる。
「――んっ」
こんな声が出るものなのか。段々と頭の中がぼーっと重くなる。そう言った感覚は初めてで、苦しいと気持ちいいが交差する。
「おまえがいてくれるなら、怖くないかもな」
「そうかい?けどちゃんとレイヤには謝るんだよ」
どれくらい時が経ってからか、唇が解放される。まだ吹っ切ることは出来ず迷っている。そんな簡単にどうにかできるなら最初から裏切らないか。
「何かあったら私の元に来るといい。頭くらい撫でてやるさ」
胸の奥でくすぶる感情はまだ知らない。答えは出てるのだろうに。それでも互いに口にはしなかった。ガキのくせに、とまた唇は塞がれた。
空から君へ
(この日のために)(空から)(降ってきたんだ)