空から君へ
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こんな出会い方は運命と言えるのだろうか?
「のぉぉ―――っ!?」
いやはや何がいったい起こったというのだ。朝、研究室の扉を開けて一歩踏み入れれば何故か真っ逆様にダイブしているではないか。私の部屋に段差などない。なのに何故、私は落下しているのだろう。
「そこの者ー。避けんと危ないぞー!」
またまた何故か真下は平野で、ちょうど私の落下地点と思われる場所に茶色のコートの男……だろう……が立っていた。私が声を掛ければ、彼はどこからだとキョロキョロと辺りを見回す。ようやく上を向き私と目が合えばギョッと目を見開いた。
「避けろ!」
さすがにこのままではぶつかる。避けてくれれば譜術を使ってブレーキくらいは掛けれると言うのに。しかし、その彼はそのまま避けることなく予想外な行動に出た。
「おっと」
ドスっと音がしたと同時に衝撃。思わず瞑った目を開けると、男の顔が近くにあった。限りなく黒に近い焦げ茶の髪を前髪の一部を除き上げていて、オレンジがかった茶の瞳が目に入った。
「どっから降ってくんだよ」
この男の名はアルヴィンと言った。私が今いるのはベルケンドでなければオールドラントでもない。リーゼ・マクシアと言う世界らしい。事情を話したが、アルヴィンは怪訝な表情を浮かべたまま。
「信じるも信じぬも君の自由だ。私は君に嘘を吐いても何の特もない」
では世話になったなと、彼に背を向ければ、待った!と腕を取られる。
「まだ何か用か?」
「用っていうか……本当にお前の話が本当なら問題があるだろ?」
はて、何のことだ?と言わんばかりに首を傾げればアルヴィンはこう言った。
「右も左もわかんくてどこに行く気だ?」
と。言われてみればその通りで、聞けば文字もオールドラントとは違うらしい。仕事でイルファンという場所に行くというアルヴィンに便乗し、その道中に生活していく上で必要なことを教わった。
「なまえっておかしなな奴だな」
ある程度会話していく中で大体の人物に言われる言葉。見知らぬ世界に来たというのに慌てることなく順応している私を見てそう思ったらしい。それが私とアルヴィンの出会いだ。