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*ホワイトデー*
「紫鶴~」
「紫鶴、いるかい?」
執務室でいつもの様に仕事をしていれば例の如く隠し通路からピオニーが入ってきた。それとほぼ同時に普通に扉から入ってきたのはアスランだった。
「…何?」
「あなた方はいつ仕事しているんですか?」
そんな二人に対し、この部屋で仕事をしていた紫鶴とジェイドは溜息を吐きながら冷ややかな目で見る。
「だって今日は」
「ホワイトデーだろ」
満面の笑みを浮かべるピオニーとアスラン。それに紫鶴は「ああ」と生返事をする。
「何だその反応は?」
「忘れてたのかい?」
反応の薄い紫鶴にピオニーは眉を寄せ、アスランは首を傾げる。
「忘れてないけど…」
「また大量に何か買い込んだのではないでしょうね?」
前にクリスマスのときに大量に持ち込んだ紫鶴へのプレゼントを思い出してげんなりする紫鶴とジェイド。
「あれだけ言われたからね。今回はこれを」
紫鶴の側に寄ったアスランは手にしていた紙袋をを渡す。
「今、人気のある洋菓子店のお菓子の詰め合わせだよ」
美味しいって聞いたから食べさせたかったと。
「ありがとう。後でお茶入れるから一緒に食べよ」
「ふっ、甘いな。アスラン」
鼻で笑いながらアスランを押し退けるピオニー。
「俺からはこれだ」
ピオニーが紫鶴に手渡したのは小さな箱だった。「開けて見ろ」と言われ箱に結ばれていたリボンを外し箱を開ける。
「これって…」
小さな紫色の宝石のついたネックレスだった。
「前にも色々やったが、少し志向を変えてみた」
前に貰ったのはもう少し年相応な物。今度のはシンプルだか大人っぽい物だった。
「ありがとう!大切にするね」
「ところでカーティス大佐は」
一人何も渡さないのを見てアスランが声をあげる。
「ジェイドからは今朝貰ったよ」
「ええ」
欲しかった服を買って貰ったと。予想外の返答に「抜け目ねぇ」とピオニーが呟く。
「三人ともありがとね」
紫鶴の満面の笑みを見た三人は「どういたしまして」と微笑み返す。
大切な君だから贈りたかったんだ。
09.3.15