拍手ログ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「もう一回言って下さい」
ソファに優雅に足を組んで本を読むジェイドが眉根を寄せる。
「だから、お年玉ちょーだい☆」
「…先日陛下とフリングス将軍にも言ってましたよね?」
笑みを浮かべて手を差し出す紫鶴。先日いつもの恒例となったジェイドの執務室でのお茶の時間に確かに紫鶴がピオニーとアスランに何かを催促していたのをジェイドは思い出す。
「あの時はあまりよく聞いてませんでしたが何なんですそれは?」
「簡単に言えば新しい年の始まりに大人が子供にお小遣いをあげること」
顔をしかめて疑問を投げ掛けるジェイドに紫鶴は手を差し出したまま、しれっと答える。大人が子供に新年を迎えたからお小遣いをあげる意味が分からないというジェイドに「私の国の風習」だと、さも当たり前のように答える。ここはオールドラントだと言おうかと思ったが、言うだけ無駄だろうとそれは止めた。
「私があげなくてもあの二人ならたんまりくれるでしょう」
読みかけの本を閉じて膝の上に置いて溜め息混じりに言う。クリスマスの時のことを思い出してみなさいと言われ、紫鶴は「…うっ」と呻く。半月ほど前にも「クリスマスプレゼントが欲しい!」と三人にねだると、ジェイドは大量の本を寄越した。それも難しい本ばかりを。ピオニーとアスランに至っては…これでもかと言うくらいに十数着の服とこんなのどこに着けていくんだと言うくらいの数のアクセサリーを贈って寄越した。その数に驚かさせ、どこに置くんだ?と頭を悩ませたことを紫鶴は思い出した。
「お金だと…陛下辺りなんか"家"が一軒買えるくらいくれるのでは?」
「そ、それは…嫌だね。でもさすがにそんなには…」
ジェイドの冗談に聞こえない言葉に紫鶴は顔を引きつらせた。「冗談だよね?」と引きつらせたまま問えば、ジェイドは満面の笑みを浮かべて
「さぁ?二人はあなたを溺愛してますからねぇ」
と他人ごとに楽しそうに答えた。マズい!と脳裏に浮かんだ紫鶴はすぐさま「お年玉はいらない」と言いに休日にもかかわらず宮殿に向かおうとしたがそれは既に時は遅しだった。
「紫鶴~約束通り来たぞ~」
「失礼します。お待たせしました」
と呼び鈴を鳴らさずにリビングに入ってきたのは先ほどの噂の人であるピオニーとアスランだった。