君と一緒に歩くこのひと時
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「いいから貰っておけって」
「……ありがと」
にかっと笑うピオニーに何も言えず、買ってしまった以上は仕方ないと言った風にお礼を言う。
「せっかくだし」
手の中の簪を口に銜え、解かれた髪を手櫛でかき上げていく。器用に髪の毛を纏めていき、最後に銜えていた簪を纏めた髪に差し込む。
「どう?」
髪を結い上げた紫鶴はクルッと回って後ろ姿を見せる。普段と違う紫鶴の姿にピオニーは言葉を失った。普段は三つ編みを左右に結うことしかしない紫鶴が髪をアップにしてうなじを見せている。しかも私服で……それだけでまだ幼さの残る彼女が妖艶に見えてしまう。
「ピオニー?」
口を開けたままぽかんとしているピオニーに「どうしたの?」と首を傾げる。
「……似合わない?」
「そんな事はないぞ!似合ってる。ああ、すごくよく似合ってるぞ!」
そんなに変なのかと垂れさせている髪を弄る。紫鶴の言葉で我に返ったピオニーは慌てて、首を振り誉める。紫鶴以上に満足そうな笑顔を浮かべて目の前に立つ少女を見る。
「家でしかこんな風に髪を上げないからね」
「……ジェイドは見たことあるのか?」
家では今のような髪型をすると言う紫鶴にあからさまに不機嫌な声を漏らすピオニー。一緒に住んでいるのだから、普段とは違う一面を見ることはあるだろう。が、
「そりゃ……なに怒ってるの?」
お風呂に入ったときとかはアップにする。それだけだけど思いはしたが、普段露わにする不機嫌さとは違う雰囲気に紫鶴は首を傾げる。
「……ジェイドばっかり」
「よく分かんないけど……今度違う髪型にしたら真っ先にピオニーのとこに行くよ」
不機嫌な理由は分からないけど、それが不満だというならと紫鶴は宥めるように言う。