拍手ログ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
*楽しい食卓*
「今日の夕飯の当番って誰だ?」
唐突にそう聞いてきたのはルーク。各々、自由行動をしていたのだが、そろそろ日が暮れ始める。が、部屋にはほぼ全員揃っている。互いに顔を見合わせる。
「誰だったけ?」
「誰も作らないならわたくしが……」
「え、えっと!誰だろうなぁ!?」
手を叩いて立ち上がるナタリアを遮るようにガイも立ち上がり大げさに辺りを見回す。
「今日は紫季だよ」
そう答えたのは静かに本を読んでいた紫鶴だった。彼女の言葉にジェイドを除く全員が紫鶴を見て固まる。ルークとアニスに至っては顔をひきつらせていた。
「し、紫季って……料理作れるの?」
「作れるんじゃない」
本から目を離し、たぶんね、と答える。彼が行動を共にするようになってそれなりに時間が経つが紫季が食事を作ったことはない。いついなくなるかもわからない為、当番に入れていなかった。だから彼の食事をだれも食べたことがない。味がわからない。
「できたぞ」
手には外したと思われるエプロンを持った紫季がみんなの集まる部屋へと入ってきた。
「やったー!ご飯!」
「はしたないですよ」
何がそんなに嬉しいのかというくらいクルクルと回る紫鶴を軽く諫めるジェイド。ともかく夕飯が出来た以上はと、ルークたちは顔を見合わせたのちに意を決したように夕飯の支度された部屋へと向かう。誰かが不安だと呟いた。
「こ、これは……っ!」
食卓には多々の料理が用意されていた。それを見て一同驚愕の表情を露わにする。
「秋刀魚の塩焼きに揚げ出し豆腐にワカメと揚げのお味噌汁!全部好きーっ!」
和食万歳と両手を挙げて喜ぶ紫鶴。
「……全部紫季が作ったの?」
「当たり前だろ」
他に誰が作ったって言うんだとエプロンを椅子の背へと掛ける。そして今度はまだ装られていないご飯を装えばそのご飯は白米ではなく炊き込みご飯だった。
「ま、マジかよ……」
「すごすぎ……」
「予想外だ……」
出揃った食卓に愕然とするルークたちをよそに、紫鶴と紫季は気にも留めず席へと着く。まだ起きている事実を認められないままルークたちも各々の席へと着いた。
『……いただきます』
それぞれがパクリと一口。黙って噛んで飲み込む。
「うまっ!」
「なにこれ!?」
予想していなかった味に全員が一度箸を止める。匂いはいい匂いで食欲をそそる。だが肝心の味はと口にしてみれば思わず賞賛の言葉を声に出していた。一口食べて火が点いたのか箸を動かす手が止まらなくなる。
「本当ですわ」
「……美味しい」
ガツガツ食べるルーク、ガイ、アニスの向かいでナタリアとティアまでもその言葉を零した。
「久しぶりの和食の定食~」
「箸噛むなよ」
ふふふっと笑う紫鶴。その表情は完全に緩みきっている。行儀が悪いと言うことも忘れて箸を噛んでしまうと、隣に座る紫季が肘で小突いて諫める。
「ごめんごめん。でもすっごく美味しいし幸せなんだもん」
こんなに美味しいとは思わなかったし。と付け加えると、大したことねぇよ、とそっぽを向く紫季。
「人間一つくらい取り柄がありますよ」
「文句があんなら食わなくていいんだぜ、死霊使い」
一人静かに食していたジェイドがふっと笑う。そんなジェイドをじろっと睨みつける紫季。
「喧嘩するなら二人とも出てけ」
「……飯作ったの俺だぞ」
食事は楽しく!扉の方を指さす紫鶴。作った本人が出てけとかあるか…と肩を落とす紫季とやれやれと肩を竦めるジェイド。
「てか一番騒がしいのってあの三人じゃね?」
「バカップル姉弟はともかく、大佐のは確信犯でしょ」
今の三人のやり取りを眺めつつすでに食事を終えたルークらは半ば呆れ顔で見ていた。
「誰と誰がバカップルだ」
「あれぇ?聞こえてたぁ?」
いつの間に食事を終えたのか食器をまとめ始めている紫季がアニスの頭を軽く叩く。えへへっと笑うアニスをもう一度叩く。いったーい!と騒ぐアニス。アニスが悪いわと溜息を吐くティアも片づけを手伝う。
「何だかんだと紫季はあなたに甘いようですね」
クスクス笑うジェイドの言葉の意味がわからなくて首を傾げる紫鶴。
「今日の食事。全部あなたの好物でしょう?」
「――っ!」
ジェイドの言葉にハッとなって紫季を見る。そして――
(紫季、大好きー!)
(だ、抱きつくな!!)
「今日の夕飯の当番って誰だ?」
唐突にそう聞いてきたのはルーク。各々、自由行動をしていたのだが、そろそろ日が暮れ始める。が、部屋にはほぼ全員揃っている。互いに顔を見合わせる。
「誰だったけ?」
「誰も作らないならわたくしが……」
「え、えっと!誰だろうなぁ!?」
手を叩いて立ち上がるナタリアを遮るようにガイも立ち上がり大げさに辺りを見回す。
「今日は紫季だよ」
そう答えたのは静かに本を読んでいた紫鶴だった。彼女の言葉にジェイドを除く全員が紫鶴を見て固まる。ルークとアニスに至っては顔をひきつらせていた。
「し、紫季って……料理作れるの?」
「作れるんじゃない」
本から目を離し、たぶんね、と答える。彼が行動を共にするようになってそれなりに時間が経つが紫季が食事を作ったことはない。いついなくなるかもわからない為、当番に入れていなかった。だから彼の食事をだれも食べたことがない。味がわからない。
「できたぞ」
手には外したと思われるエプロンを持った紫季がみんなの集まる部屋へと入ってきた。
「やったー!ご飯!」
「はしたないですよ」
何がそんなに嬉しいのかというくらいクルクルと回る紫鶴を軽く諫めるジェイド。ともかく夕飯が出来た以上はと、ルークたちは顔を見合わせたのちに意を決したように夕飯の支度された部屋へと向かう。誰かが不安だと呟いた。
「こ、これは……っ!」
食卓には多々の料理が用意されていた。それを見て一同驚愕の表情を露わにする。
「秋刀魚の塩焼きに揚げ出し豆腐にワカメと揚げのお味噌汁!全部好きーっ!」
和食万歳と両手を挙げて喜ぶ紫鶴。
「……全部紫季が作ったの?」
「当たり前だろ」
他に誰が作ったって言うんだとエプロンを椅子の背へと掛ける。そして今度はまだ装られていないご飯を装えばそのご飯は白米ではなく炊き込みご飯だった。
「ま、マジかよ……」
「すごすぎ……」
「予想外だ……」
出揃った食卓に愕然とするルークたちをよそに、紫鶴と紫季は気にも留めず席へと着く。まだ起きている事実を認められないままルークたちも各々の席へと着いた。
『……いただきます』
それぞれがパクリと一口。黙って噛んで飲み込む。
「うまっ!」
「なにこれ!?」
予想していなかった味に全員が一度箸を止める。匂いはいい匂いで食欲をそそる。だが肝心の味はと口にしてみれば思わず賞賛の言葉を声に出していた。一口食べて火が点いたのか箸を動かす手が止まらなくなる。
「本当ですわ」
「……美味しい」
ガツガツ食べるルーク、ガイ、アニスの向かいでナタリアとティアまでもその言葉を零した。
「久しぶりの和食の定食~」
「箸噛むなよ」
ふふふっと笑う紫鶴。その表情は完全に緩みきっている。行儀が悪いと言うことも忘れて箸を噛んでしまうと、隣に座る紫季が肘で小突いて諫める。
「ごめんごめん。でもすっごく美味しいし幸せなんだもん」
こんなに美味しいとは思わなかったし。と付け加えると、大したことねぇよ、とそっぽを向く紫季。
「人間一つくらい取り柄がありますよ」
「文句があんなら食わなくていいんだぜ、死霊使い」
一人静かに食していたジェイドがふっと笑う。そんなジェイドをじろっと睨みつける紫季。
「喧嘩するなら二人とも出てけ」
「……飯作ったの俺だぞ」
食事は楽しく!扉の方を指さす紫鶴。作った本人が出てけとかあるか…と肩を落とす紫季とやれやれと肩を竦めるジェイド。
「てか一番騒がしいのってあの三人じゃね?」
「バカップル姉弟はともかく、大佐のは確信犯でしょ」
今の三人のやり取りを眺めつつすでに食事を終えたルークらは半ば呆れ顔で見ていた。
「誰と誰がバカップルだ」
「あれぇ?聞こえてたぁ?」
いつの間に食事を終えたのか食器をまとめ始めている紫季がアニスの頭を軽く叩く。えへへっと笑うアニスをもう一度叩く。いったーい!と騒ぐアニス。アニスが悪いわと溜息を吐くティアも片づけを手伝う。
「何だかんだと紫季はあなたに甘いようですね」
クスクス笑うジェイドの言葉の意味がわからなくて首を傾げる紫鶴。
「今日の食事。全部あなたの好物でしょう?」
「――っ!」
ジェイドの言葉にハッとなって紫季を見る。そして――
(紫季、大好きー!)
(だ、抱きつくな!!)
*12.09.12*