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「……どういうことだ?」
まだその意味が分からないルークとナタリアが顔を傾げる。
「紫鶴を起こしてしまうと可哀想だからですよ」
「うぉっ!」
答えは背後から返ってきた。真後ろからの声にルークは驚いてガイに抱きつく。退室していたジェイドの登場にまたにたりと笑うアニス。ひと波乱あると察したティアとガイは溜息を吐く。
「頭を動かしたときに紫鶴が起きてしまうかもしてないでしょう?だから紫季はあえてそのままでいたのですよ」
紫鶴が勝手に起きるまで待ってたんですよ。私たちに何か言われるの招致の上で。そこまで言うとさすがのルークとナタリアも理解し、納得と頷く。
「……うっせぇよ。アンタが相手しなかったからだろ。嫉妬してんじゃねぇよ」
してやったりの表情を浮かべるジェイドに反論するかのように、負けじと言葉を返す紫季。一瞬、火花が散ったのを一同は見逃さなかった。
「……やっぱりな」
「当の本人はこんな状態でも寝てるっていうのにね」
一触即発の空気の中でこの騒ぎの原因ともいえる少女は未だ夢の中。いっそ起こした方が早いのでないかと思い始める。紫鶴が寝ていることが問題なのだから、起こしてしまえば解決されるはず。
「……ふにゃ」
アニスが起こそうとしたときだった。紫鶴が目を覚ましたのは。全員の視線が一斉に紫鶴へと向けられる。寝ぼけ顔でむくりと起き上がり目を擦る。起こさないようにしてたのに、起こすつもりだったけど、起きてしまったことに一同が固まる。
「し、紫鶴?」
「おや、起こしてしまいましたか」
まだ眠気眼の紫鶴に視線が集まる。ぼーっとした状態のまま辺りをぐるりと見て、最後に紫季を見る。じーっと見られ、さすがの紫季もたじろぐ。相手がどう反応するのか予想もできなく困惑気味だ。
「……紫季……」
寝起きだからか少し掠れた声で弟の名を呼ぶ。すると、へらっと笑い、予想していなかった行動に出た。
「紫季、大好きぃ~」
「うわぁ!だ、抱きつくな!!」
思い切り抱きつかれ壁へと頭をぶつける。当の紫鶴はお構いなしといったように力いっぱい抱きつく。離れたところから、ピキッと何かが切れるような音がし、ルークらが振り返ると絶対零度の笑みを浮かべたジェイドがいた。
「……紫鶴ってわざとやってる?」
「わざとじゃないから怖いんだろ」
「お、俺は悪くねぇ……てか今日、一緒の部屋嫌だ」
この騒動は紫鶴が完全に目が覚めるまで続いたとさ。
被害者は誰?
*12.07.24*