09 蒼炎舞う
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「さて、ルークも目を覚ましましたことですし、そろそろイオン様を助け出しに行くとしますか」「イオン様はどこかに連れて行かれたようでしたけど…」
ルークのおかげで神託の盾に捕まり、とりあえず大人しく牢に入って小一時間程して彼が目を覚ました。ティアに訊いたところ人を殺したのは初めてだったらしい。自身の両手を見つめて震えている。
が、私たちはここでのんびりしている暇はない。イオン様のことはアニスに任せてありますけど、当のイオン様はここから連れ出されたと。アニスの安否はまだ知れません。
「ええ。ですが、神託の盾たちの話を漏れ聞いた限りでは、タルタロスへ戻ってくるようですしね。そこを待ち伏せで救出しましょう」
簡単にはいかないでしょうが。と続ければティアは分かったと頷いた。
「…お、おい!そんなことしたらまた戦いになるぞ!」
ずっと手を見つめたまま震えていたルークが声をあげる。どうやらお坊ちゃんは人と戦うのは怖いらしい。その様なことを言っている場合ではないのですが。正直、イオン様救出には彼の力が必要ですからね。それにーー彼女もどうしてるか。
「それがどうしたの?」「どうした、ってーーまた、人を殺しちまうかもしれねえって言ってるんだよ!」
良く言えば優しい…悪く言えば甘っちょろい。ですかね。
「それも仕方ないわ。殺らなければ殺れるもの」
軍人としてけして間違っていないティアの答え。戦争を起こさせない為の最小限の戦いをしなければならない。
「な、何言ってるんだ……人の命をなんだと思ってーー」
「そうですね…人の命は大切なものです。ですが、このまま何もせずにいて戦争が始まれば、より多くの人々が死ぬんですよ」
怒鳴るルークに割り込む。私の言葉にルークは息を飲み、そんなルークからティアは顔を逸らさない。