08 戦火の灯
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「ここは私が食い止めるからみんなは逃げて!!」
普段の敬語も出さない。刀を抜き、襲いかかってくるライガを切りつける。恐怖で動けないのか誰も艦橋から出ようとしない。
『どうした!?』
伝声機からジェイドの声。私はライガと応戦しているから出ること出来ないでいると伝声機を艦長が取る。
「脇の森林地帯からライガの群れが現れて取り巻かれました!艦内に入り込まれ、機関部が攻撃を――こ、この艦橋にも入り込み葛城少佐が……」
「いいから早く撤退して!ここも待たない!!」
のんびりしていては私も長くは持たない。こんな狭いところじゃ自在に刀が振るえない。それはライガも同じなんだろうけど、正直ここにいる兵が邪魔で私のほうがフリだ。
『紫鶴!?』
「さぁ早く!――ジェイド、ゴメン」
何が起きているか分からないジェイドが私の名を呼ぶ。私が何とか退路を築くと全員一斉に艦橋から飛び出していく。それを確認して、伝声機の方に顔を向け、ただその一言を発して私は艦橋を刀を振りながら出た。何で謝ったのかな…勝手に指示を出して隊員を逃がしたから?もう二度と会えないかもしれないから?分かんないけど口からは勝手にそう出た。
『さぁ早く!――ジェイド、ゴメン』
その言葉と同時に伝声機からは何も聞こえなくなった。手にしていた伝声機をジェイドは元の位置に戻す。
「大佐!葛城少佐は?」
「…艦橋に魔物が侵入して紫鶴が応戦しているようですね」
「おい!あいつ一人でか!?無理だろ!」
ジェイドの両脇でティアとルークが声を上げる。静かな声で返すジェイドに「無理だ」と二人は返す。
「大佐~。紫鶴一人で本当に大丈夫なんですか?」
「紫鶴なら大丈夫ですよ…彼女なら。紫鶴が時間を稼いでいるうちにイオン様を捜しましょう」
さすがのアニスも「紫鶴の強さは知ってるけど…」と心配そうにジェイドを見上げれば、ジェイドは眼鏡を直しながら「こちらが優先です」と続けた。