08 戦火の灯
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「主砲用意!目標、前方の魔物の大群!」
「主砲用意!目標、前方の魔物の大群!」
艦長の指示を繰り返す狙撃員。指示に合わせて目の前のパネルを操作し、主砲を魔物の大群に向ける。この一回の砲撃でどれだけ数を減らすことが出来るか。
「主砲発射!!」
「発射!!」
艦長の掛け声と共に数台ある主砲から譜陣を展開させて砲撃は発射される。一度の攻撃でかなりの数の魔物が地に落ちていったがそれでも上空の魔物の数は減ったようには見えない。そうしているうちに先陣を切っていた魔物は次々にタルタロスへと降下していく。そして森からも突如現れたライガの群れが艦内に入り込んでいる。恐れていたことが予想より早く起こった。
「…まずい。総員直ちに撤退!」
「葛城少佐!何を!?」
私は伝声機に手を伸ばしそう叫んだ。私の指示に艦橋内の人間は驚いた顔をして私を見る。いきなりそんな指示を出せばそうも思うだろうが…これだけのグリフィンやライガが降下してるのだ。部隊の半数しか乗っていないこのタルタロスは長くは持たない。誰が、何の為にこんな事を…どう考えても魔物の暴走なんかじゃない。誰かが魔物を従えているはずだ。
「このままでは全滅よ!なら今はイオン様を守りつつ撤退し生き抜いてこの状況を本国に報告するのが上策!私たちの任務はイオン様と親書をバチカルに届けること。違う!?」
時間が無い!と更にそう続けるが、いくら副師団長補佐とはいえ、一介の少尉の指示に簡単には従えないといった感じだ。どうしたらいいのかと艦橋内の皆は互いの顔を合わせ動揺する。そんな中、この艦橋内に魔物は侵入してきた。
「う、うわぁぁ!!」
「ま、魔物!?」
まさかここに入ってくるとは思わなかったのか、魔物の乱入に一同立ち上がり逃げ腰になる。「ちっ!」と私は舌打ちをして腰の葛の葉に手を掛ける。