08 戦火の灯
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「もちろん、ちゃんと森の前まで来てますよぅ。大佐が大急ぎでって言うから、特急で頑張っちゃいました♪」
と、実に可愛らしく微笑むアニス。その笑顔の裏が怖いから人目を盗んで小さく溜息を吐いた。この不幸は私に向けられるものではないから、まぁいいとしよう。
そしてアニスが笑顔のまま指をぱちんと、鳴らせば木々の間から兵が現れた。直ぐにルークとティアを囲んだ。説明されなくても事態を察した私はイオンを背に隠す。ジェイドは彼らを拘束する…元々今朝、その為に彼らを迎えに行ったんだし。
「おい、どういうことだよ!」
いきなり兵士に囲まれたことに驚きながらも、ルークとティアはジェイドを睨みながら武器を手にする。無駄だよ、と言おうかと思ったけどそれは案外、自分自身で分かっているだろうから言わない。彼らがどんなに頑張っても私らには勝てない。
「そこの二人を捕らえなさい。正体不明の第七音素を放出していたのは彼らです」
「ジェイド!二人に乱暴なことは――」
「大丈夫ですよ、導師イオン。ただ、拘束するだけです……今は」
ジェイドの命令と共に兵士らはルークらから武器を取り上げ拘束する。イオンが今にも飛び出しそうになるのを私は片手で制し、彼らに視線を向けたまま言葉を発する。確かに"今"は拘束をするだけ。でも…彼らの返答次第では、ね。
「…わかったよ」
「いい子ですね――連行せよ」
大人しくなったルークに微笑み初めは優しい声で子供を褒めるように言い、最後に低くした声で言葉を発したときは時たま見せる大佐の顔だった。
このまま、ルークとティアを拘束した私らは彼らの後に続いてタルタロスへと入っていった。