07 繋がりしか未来の始まり
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「まだよっ!」
終わりだと思いライガに背を向けるとティアが声を上げた。ゆっくりと振り返れば、ライガは瀕死の状態で尚、私に向けて爪を振り上げていた。力が入りきらないだろうその実は震えている。
「もう…眠りなよ」
誰にも聞こえないくらいの声で呟いて右手の葛の葉を構える。これ以上は…ただ苦しいだけだよ。もう楽になりなよ。その血が流れきるまで待てないのなら――私の手で。
刀を垂直に構え……ライガの眉間に突き刺した。額から刀を抜けばライガは崩れるように倒れて、そのまま絶命した。私はポケットから布を取り出して血の付いた刀を拭い鞘に収める。
「ご苦労様です」
皆の元に戻ればジェイドが私の側に寄り肩に手を置く。ジェイドの顔を見上げればいつものように微笑んでいた。私の心に何か残る虚無感を察してるのかないも言わずに、ぽんぽんと頭を叩いた。人には無関心の割にはこういった優しさをたまに見せるものだからちょっと困る。
「ピオニーとアスランには…」
「言いませんよ。言ったら煩いだけですから」
確かに…過保護な二人に知られると煩くて適わない。てか相手するだけ面倒くさい。どうせ、当分ゴランコクマには戻らないから、こんな事なんてすぐに忘れるはず。もう人殺しには慣れてるのに、命を奪った後の虚無感はいつも心に残り、その間だけ何も考えたくなくなる。その時必ずジェイドが黙って側にいてくれる。心配性のピオニーらには内緒で。
「よしっ!」
ぱんっと自分の頬を叩いてイオンの側に行く。「大丈夫ですか?」と問えば「ご迷惑をお掛けしました」と頭を下げた。事の経緯も聞きたいところなんだけど…ジェイドは。