06 再会。出会い…咲き乱れ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なんだと!」
「――いえ。彼の仕業ではないと思いますよ」
この声…テーブルに片肘をついてこのやり取りを傍観していれば、聞き覚えのある声がした。その声はルークとティアの更に後ろから。肘に乗せていた顔を持ち上げて見ればそこには先ほど外に出て行ったイオンだった。
「イオン、様!何処に行ってらしたんですか?それにアニスは?」
いつもなら普通に話しかけるのだが公務中だから敬語で。イオンは私が声を掛ければニコッとこちらを向いて微笑む。
「少し気になったので、食料庫を調べさせていただきました。そうしたら、部屋の隅にこんなものが落ちていました」
手に持っていた青緑色の獣の毛のようなものを見せる。それを見たローズ夫人はハッとしたように顔を上げた。
「こいつは…聖獣チーグルの毛?」
「ええ、あまり考え難いことですが、チーグルが食料庫を荒らしたのでしょう」
ローズ夫人の問いにイオンが頷く。聖獣チーグルか…まだ見たことはないんだよね。本ではあるけど、挿絵しか見たことがないから本物はどんなのか知らないんだよなぁ。ちょっと見てみたい。
「ほら見ろ!だから泥棒じゃねぇっつたんだよ!」
まるで勝ち誇ったかのように拳を握ってみせる。この子…相当のぼんぼんだね。かなり我侭に育てられたと見た。でなきゃ、こんな風には育たないよね。私の家じゃ考えらんないよ――んな態度取ったらお祖父ちゃんが刀振り回して怒るね。
「どうやら一件落着のようだね――さあ、あんたたち、この坊やに言うことがあるんじゃないのかい?」
イオンから村の人たちに振り返れば村の人たちは罰の悪そうに顔を合わせる。その中の一人が前に出る。