05 望み望まれ、未来を歩む
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「久しいな」
「お久しぶりです。無理なお願いを聞き入れていただいてありがとうございます」
フランクに声を掛けるピオニーにイオンは丁寧に頭を下げる。こういったところは見習ってもらいたいものだ。
「いや、無理な願いを頼んだのはこっちのほうだ」
「いいえ、僕は僕自身が戦争を望んでいません。ですからピオニー陛下のお考えに賛同しただけです。僕でお力になれるならこれは無理な願いではありません」
この子は本当に導師なんだ。まだ十四で、私より四つも年下なのにしっかりと未来を見据えている。私は半分生きることを諦めて適当に生きてきたというのに…この世界に来ていろんな人たちと関わるようになってからはだいぶその考えも変わったけど…それでも今のイオンはすごく大きく見えた。
「すまんな…親書は悪いがまだでな」
苦笑を浮かべたピオニーは後ほど届けると言った。
「分かりしました。親書は導師の名にかけて必ずインゴベルト陛下にお渡しします」
イオンは胸に手を当てて軽く頭を下げる。ピオニーはもう一度「すまんな」と言って今度は私とジェイドのほうに顔を向ける。
「ジェイドと紫鶴もご苦労だったな。悪いが今度はキムラスカだ」
「人使いの荒い皇帝ですねぇ」
「ああ~仕事が溜まっていく」
私とジェイドがわざとらしくそう言えば「似たもの同士め…」と呟く。だてに二年間も一緒に暮らしてないし、一緒に仕事もしてない。髪の毛の色も何となく似ているから本当の血縁関係に間違えられたこともある。
「導師とアニスはゆっくりと準備が出来るまでゆっくりと休んでくれ。ジェイドと紫鶴は準備を頼んだぞ」
イオンとアニスは兵に連れらて謁見の間を出て行く。私とジェイドは面倒くさそうに返事をした。