05 望み望まれ、未来を歩む
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「…紫鶴?」
黙り込んだままの私の顔をイオンが覗き込んでくる。
「いえ、まぁ…よく言われるからいいんだけど」
「あともう一つ名前があるのは知ってましたか?」
導師相手だということを忘れてつい砕けた口調で返事をすると、上からこれまた楽しそうに私を見下ろしながら含みのある言い方で訊いて来る。
「もう一つ…ってまだあるの!?」
「私知ってまーす」
手を上げて返事をしたのはアニス。まだ…あったの?んなもんが。
「確か"蒼炎の瞬光"は蒼を纏い、炎の如く戦陣を切り裂き、光の如く瞬く間に敵を薙倒すで…それでもう一つの名は…"マルクトの舞姫"でしたよね?」
両手を腰に当ててジェイドを見上げるアニス。それに対してジェイドは「はい」と短く答える。
「…何それ?私、姫なんかじゃないし」
「僕も知ってますよ。"マルクトの舞姫"…は戦う姿がまるで舞を舞っているように美しいからでしたよね?」
怪訝そうに眉を寄せる私の正面に立つイオンが今度は答える。「はぁ?」と私が声を上げてジェイドを見れば、満面の笑みを浮かべている。
「信じらんない…」
「それだけあなたが有名なんですよ」
入隊二年目の齢十八で先陣を切ってて敵を切り裂いてくさまは噂が噂を呼んで広まってたという。
「ジェイドも知ってたんなら教えてくれてもいいじゃない!」
「いえいえ、これを知ったときのあなたのリアクションが見たいなんてこれっぽっちも思ってませんよ♪」
再び胸倉を掴んで「嘘付け!!」と怒鳴れば「上司に手を上げる悪い部下ですねぇ」と肩を竦めながらはははっと笑ってるし。