05 望み望まれ、未来を歩む
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「そう言えばそんなこともありましたね」
「まぁね…んじゃ導師救出作戦といきますか」
導師は何度かピオニーと極秘に手紙のやり取りをしていて人通りの少ないポイントと導師の部屋とよく出入りしている部屋を教えてもらった。その中で二階程度までの高さの部屋に絞って連れ出す手段を選ぶ。そして候補の部屋の中で大詠師派の人間があまり近寄らない部屋を最終的に選んでそこで今日迎えに行くとグランコクマを出る前に鳩を飛ばした。
「ここだね」
「そうですね…行けますか?」
導師が待っているはずの部屋の下に着く。目の前にそびえ立つ一本の木に手をかけるとジェイドが微笑みながら声を掛ける。その言葉に「当然」と答えてそのまま木を上っていく。小さい頃は家の木で木登りをしていたから難なく登っていく。目的の部屋のあたりまで登りきり、窓をコンコンと叩く。すると閉められていたカーテンが開き、そこからツインテールの女の子が見えた。
「マルクト帝国第三師団、紫鶴・葛城少尉です。導師イオンのお迎えに参りました」
窓越しに名を名乗れば女の子はコクンと頷いて窓を開ける。
「お待ちしていました。イオン様、マルクト軍の方が見えましたよ」
女の子が部屋のほうに振り返り、導師を呼ぶと私からは陰になる所から男の子…たぶん男の子…が現れた。緑色の髪をした一見女の子にも見違うような少年だった。
「ご苦労様です。僕が…」
「ご挨拶は後ほど、行きましょう」
いくら人が近寄らない場所と時間帯を選んだとはいえ、いつ誰が現れるかなんて分からない。私がイオンの言葉を遮って手を差し伸べれば、イオンは一瞬驚いた表情をしたが、すぐに頷いて私の手を取る。