05 望み望まれ、未来を歩む
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「とりあえず、行って来る」
面倒くさいと思いながらも訓練場からジェイドの執務室に向かう。これから起こる、長い旅の始まりとは知らずに…
「失礼します」
ノックをして返事を待たずに入る。部屋に入れば執務机の書類を手にしてそれに印を押しているジェイドの姿があった。
「来ましたか」
返事を待たずに部屋に入ったことは咎められない。基本私はここに通うようになってからノックはしない…ジェイドも何故か怒らないし。
「用件は?」
「それはこれから陛下に伺います」
そう言ってジェイドは書類を揃えてから立ち上がる。
「これからって、ジェイド知らないの?」
「執務中ですよ」
てっきりジェイドの用件だと思ってたから違うと分かってつい、執務中なのに呼び捨ててしまった。それには「…すみません」と謝る。
「では、行きますよ」
背中をぽんっと叩かれドアへと促される。ピオニーの用件なのにジェイドが知らない…あまりどころか、かなり嫌な予感がする。
「どうかしましたか?」
仕事で乗り気というのは、いささか的外れなんだけど難しい顔をしていれば隣を歩くジェイドが顔だけこちらに向ける。
「…ジェ…カーティス大佐は本当に何も知らないんですか?」
「あなたを呼び出す前に私のところに使いが来たんですよ」
だから知るわけがない、と。ジェイドにも話していないことを私にも同時に話すなんて…いったい何の話だろう?
「まぁ…面倒な内容じゃないことを祈りますよ」
「…確かに」
相手がピオニーだとどうもどうでもいいことか面倒なことが大半だから、二人同時に溜息をつく。
そんなこんなしているうちに宮殿に辿り着き、ピオニーの執務室の扉をジェイドが叩く。