04 触れなくても消えぬ傷
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「気がつきましたか?」
この声は…
「ジェイド?」
目を開いて直ぐに見えたのはジェイドの顔。真正面に見えるけど…私、寝かされてるんだ。お腹も痛いけど、背中も痛い。
「私…あれ?えっと、盗賊団は?」
「あなたのおかげで捕らえることが出来ましたよ。今、フリングス将軍が他の兵と共に連行しました」
その言葉にほっとした。何せ…途中の記憶がない。私どうしたんだっけ?盗賊たちと戦闘になって、その後の記憶が無い。
「…陛下もそんな所に居ないで、こちらに来たらどうです?紫鶴の意識が戻りましたよ」
ジェイドの溜息交じりの言葉に勢い良く起き上がる…けど、勢いが強すぎてお、お腹が…。とりあえずジェイドの視線のほうに顔を向けると、離れたところで一人立っているピオニーが居た。
「何でここにピオニーが?」
痛むお腹を我慢して立ち上がる。そのままピオニーの傍に行く。
「どうしてここに?一時撤退組みといたんじゃ?」
「…大丈夫か?」
私の質問を無視して眉根を寄せて質問返しをしてくるピオニー。質問してるのは私だけどと思いつつも「少しお腹が痛いけど、大丈夫」と答える。
「ところで紫鶴」
ジェイドもこちらに寄って来る。「何?」と答えると。
「また"暴走"しましたね?」
「へっ?」
暴走…ああ、そうか。だから記憶が無いんだ。ってことは、お腹が痛いのは――
「ピオニーが止めてくれたの?」
ピオニーを見上げて訊くと「ああ」と短い返事が返ってきた。テンションが低い…前みたいに私のお腹を殴ったか蹴ったかして止めてくれたんだろう。それを気にしてるんだ。
「ありがとう」
「痛かっただろ?」
まだ眉は寄ったまま。そんなピオニーに私は笑う。