28 見つけらねれば己が示せ
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「体調管理も出来ないなんて、兵士として失格ね」
「兵士とかそんなことを気にするより、もっと体の心配をなさい。ほんとうによろしいんですの?」
ルークの手を借りてゆっくりと立ち上がるティア。平気よと微笑むけど、その笑みは弱々しくてあまり大丈夫そうには見えない。
「それなら外に出ましょう。魔界に辿り着いているのか、確認した方がいいですから」
「そうだね」
これにはみんなも賛成して外へと歩き出す。未だにショックを受けた表情で立ち尽くすガイの前でジェイドは立ち止まった。
「……弊害が出ていると考えるなら、原因を探った方がいいですよ」
「え?ああ……そうだな」
溜息を吐きながらジェイドはそう言って先を歩いて行ってしまった。ガシガシと頭を掻くガイは何だか辛そうで苦しそうだった。
「ガイ。行こう」
「……ああ」
私なんかじゃ気の利いた慰めの言葉なんて思いつかない。下手なことを言ってもガイには逆効果だ。今の私にできるのはただ手を差し伸べるだけ。私の手をガイは恐る恐るだけど握り返してくれた。若干震えてるけど。
これから何が起ころうとしているのか。彼らはどうしたいのか。何もわからぬままただ今起こっていることに対処するのみ。そんな私たちに彼女に突きつけられた事実にも不安は残る。それを知るのはもう少し先なのだろう。変わりゆく世界に私たちは一体何が出来るのだろうか。
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