28 見つけらねれば己が示せ
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「うまくいったみたいだな」
「でもまだエンゲーブが……」
「続いて第四セフィロトから、第三セフィロトに線を延ばして下さい」
更にジェイドの指示を受けて、円と円を線で繋ぐ。
「あとは第三セフィロトに、先ほどと同じことを書き込んで下さい」
第三セフィロトに命令文を書き込むと、セフィロトから記憶粒子が発生する。それとほぼ同時にズンッと地面が動いた感じがした。するとエレベーターが降りるように大地が降下し始める。
「……降下し始めたようですね。念のため降下が終了するまで、パッセージリングの傍に待機していましょう」
このまま何事もなく降下してくれればいいけど、何かあった時すぐに対処できるようにしていた方がいいに決まってる。
「紫鶴、どうかしましたか?」
「んー。大地が降下するって言うのがやっぱり不思議だなって」
ジェイドたちだってそうだろうけど。ティア以外の人間は私たちが生きていた大地の下に世界があるなんて知らなかった。普通は大地の下に街があるなんて思わないもんね。アッシュが知ってたってことは紫季も知ってたのかな。
「まぁ、そうですね」
「ほんと、私の世界とは違うよね」
こんな風に剣を持って戦うことなんてないし、譜術なんて魔法みたいなものだって使えないし。未だにどうして私たち姉弟だけが世界を渡ってしまったんだろう。
「私はあなたの世界を知りませんから何とも言えませんけど」
「戦争が全くない訳じゃないけど、私の国は平和だと思うよ」
人と人が憎しみもなくただ戦うなんてない国だから平和なんだと思う。そんな国で育った割には二年ちょっとで違う世界に慣れちゃうもんなんだね。
「ま、いっか」
元の世界に戻れるかなんて考えたって仕方ないし。だからとりあえず今は早く降下終わんないかなぁとだけ考える。