04 触れなくても消えぬ傷
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私一人で荷物を運べばどうせ男しか居ない連中は卑猥な反応と油断するのを見越しての作戦なんだから。
「女、こっちに来い」
盗賊の一人…たぶん、頭だろう…が武器を手にしたまま私のほうに手を出す。表情はだらしなくニヤニヤしている。
「…それは出来ないね」
羽織っていたマントを脱いで、腰に下げている葛の葉に手をかける。私の好戦的な態度に一瞬きょとんとした表情になった盗賊たちはすぐに大笑いをあげる。「はははっ」とか「相手しちゃう?」とか厭らしい顔つきで私を見る。こんな連中に捕まるのだけは絶対にイヤ!!一気に刀を鞘から抜く。
人を殺す…躊躇いが無いと言えば嘘になる。でも、エンゲーブの人たちを守れるなら私はもう迷うことは無い。
「悪いけどあなたたちを捕まえさせてもらうよ」
相手の言葉を待たずに近くにいた盗賊から斬りつける。油断していた連中は私の太刀に反応出来ずに、一人二人と反撃が出来ないまま斬られる。
初めて故意的に人を殺した。でも罪悪感は無い。
「てめぇ!」
「野郎共!やっちまえ!」
私を囲っていた盗賊たちが私を一斉に襲い始める。人を殺し慣れた連中とはいえ、普段からジェイドを…たまにアスランを…相手にしている私には奴らの動きなんて素人同然だった。
「…弱いよ」
仲間を殺されたことで怒りの我を忘れた盗賊たちは一斉に私に斬りかかって来る。頭に血が上った状態だから攻撃にムラがあり、私にその刃が触れることは無い。ただ突っ込んでくる連中を私は次々と斬り裂いていく。
…段々と感覚が麻痺していく気がする…敵を斬っても斬っても何も感じない、いやむしろ心が躍るような、高揚感が湧き起こる。もっともっと――斬りたい。
「はははっ。ほら、何してんの?全然、当たってないよ」
心地いい…心地いい…血がいっぱいで、綺麗だ。
人が紙切れみたく斬れていく。