28 見つけらねれば己が示せ
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「ちと困ったことになっております。地震のせいか、ザオ遺跡とイスパニア半島に亀裂が入って、この辺りが地盤沈下しているのです」
困った風に首を振る。アスターの言葉にみんな一斉に顔を見合わせる。危惧していたことが正に、って事だ。
「それって、もしかしなくても!」
「ケセドニアが崩落してるんだわ……!」
アニスとティアが声を上げたときだった。ノックもせず使用人と言うか、部下の一人が入ってきた。
「戦局報告です!11時32分、キムラスカ軍がエンゲーブに到着しました!」
その報告に私とジェイドは顔を見合わせる。
「やれやれ、移動しても残っても、エンゲーブの住民は危険にさらされる運命だった……そういうことですか」
「やるせないね」
ノエルも間に合ったかと心配だ。もしかしたら一番危険なことをさせたかも。ノエルはキムラスカの人間だからと思いたいけどエンゲーブからアルビオールに住民を乗せてるのがわかったら何されるかわかんないし。心配しかできないのがもどかしい。
「今しがた、ケセドニアが崩落すると仰いましたが?」
さすがに聞き逃さなかったか。内容が内容なだけに表情も険しい。
「アクゼリュスやセントビナーと同じことが起きてるってことだよ!」
ここものんびりしている場合じゃなくなってしまったからかルークが声を荒げる。
「何ていうことだ……ここは両国の国民がすんでいる街。この戦時下では逃げる場所がない」
「この辺りにもパッセージリングがあって、ヴァン謡将がそれを停止させたってことか?」
肩を落とし首を振るアスターの気持ちもわからないでもない。自分たちの街が崩落し掛かっていて逃げるにも現在戦争中。セントビナーはすでに崩落していてエンゲーブはキムラスカ軍が占拠しているだろう。キムラスカ側に行くにも軍は北上している。ケセドニアの住民とは言えマルクトの人間を放っておかないだろう。