28 見つけらねれば己が示せ
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「……オイオイ。それより漆黒の翼さんよ。一体いくらで売るってんだ?」
やれやれと首を振りながら肩を竦めるガイ。ウルシーが私たちを順に数えて、六人でがスから…と金額を言おうとすると、ミュウが無視されたと思ったのか怒ったような口調でミュウもいますの!と飛び跳ねる。
「七人でがスから7000ガルドでやんスな」
「呆れた商売ね……」
下品に笑いながら値段を提示した。それを聞いたティアが横目でそれを見てはぁと息を吐く。1000ガルド増やしてしまったミュウを締め上げるルークにミュウは泣き出してしまう。
「払うのか?払わないのか?」
どうすんだい?と嫌な笑いを浮かべるヨーク。どちらを選ぶのかとみんなルークを見る。
「わかった」
表情を歪めながらそう答えると全員が驚きを露わにした。漆黒の翼もあっさり払うとは思ってなかったのかウルシーとヨークは顔を見合わせ、ノワールは目を細めた。
「払っちゃうの!?駄目だよ、もったいない!ルークが払ったら、こいつら味をしめて他の人からもお金を取るよ!」
「当たり前だ。商売なんだからな」
これって商売なんだ。言うならば悪徳商売かな。口にしたら怒られそうだから声にはしないけど。
「漆黒の翼ってのは義賊だって聞いてたが、所詮ただのちんぴらと同じか。醜いね」
ちょっとわざとらしいかなと思える風にガイが言うと真っ先に反応したのはノワールだった。
「聞き捨てならないねぇ。あたしたちをちんぴら扱いとは……」
「そうだろう?こんな所で商売すれば、犠牲になるのは貧しい人たちだ」
ガイを睨みつけるノワールにガイは怯まず言葉を続ける。戦争が始まってしまい首都には入れない。戦線は北上していると言うのに逃げ場がない。このケセドニアに行くしかない人たちばかりが集まる。着の身着のままに逃げた人らにお金なんてないもん。