28 見つけらねれば己が示せ
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紫季とイオンと別れた私たちはどうしようかと困っていれば目の前の酒場がちょうど国境線の境目にあるということに気が付き中に入った。が、まあそんな簡単に行くわけがない。店員と思われる男性が扉の前に立ちはだかっていて向こうへと抜けることが出来なかった。
「ね、私ここ通りたいなぁ」
出来る限り満面の笑みでその男性に話しかける。よくわかんないけど、その男性は顔を赤くして私とは目を合わせない。いつも思うけどどうしてなんだろう。みんなも、行け行け!と自分たちが駄目だったからか背中押すし。一番よくわかんないのは落とせ!と言われること。何を?
「……こ、ここを通りたいなら、合い言葉を言いな」
目を反らしたままみんなの時と同じ言葉を言われた。てか合い言葉って何よ?うーん、困ったね。
「ぐへへ。合い言葉を買わないか?」
ちょっと下品な笑い声を発したのは漆黒の翼の一人だった。名前は…ウルシー、だっけ?あんまよく覚えてないけど。
「あ!おまえら!」
「あらん。いつかの坊やたちかい」
向こうの三人も持ちかけたのが私たちだと気付かなかったのか、私たちを見て少し驚く。私たちは私たちでまさか漆黒の翼が現れると思わなくて驚かされた。
「あ……あんたたち!イオン様を誘拐したり、こんなところでお金儲けしたり、何考えてるのよ!」
アニスが真っ先に彼らを指さす。頬もパンパンに膨らませて。突っついたら怒られるかな。
「あはん。だってお金が大好きなんですもの」
「私だって大好きよっ!」
あ、アニスの本音が出た。思うんだけど、アニスとノワールって結構似たもの同士だよね。気が合わないようで合うというか。自分でも何言ってるんだかよくわかんないけど。