04 触れなくても消えぬ傷
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ローズ夫人に説明が済んだ後今度は村の人たちにも説明をする。村の人たちも私が囮になるということに驚きが隠せないでいる。無理矢理にも納得してもらい作戦通りに準備をしてもらう。馬車には食料ではなく重石を木箱の中に入れる。さすがに空箱だと馬車の振動とかでバレてしまうかもしれないから。翌日、作戦決行日の昼に準備は完了した。村人に装った兵からジェイドたちの準備も整ったと報告を受ける。あとは日が暮れ始める頃に私が馬車に乗って村から出るだけ。
「では行きますね。私が出てしばらくしたら村の門は閉じてください」
万が一に備えてと。ローズ夫人や村の人たちは私の言葉に頷いたがまだ納得はしてもらえないみたいだ。
「葛城少尉…お気をつけて」
「はい、ありがとうございます」
ローズ夫人の言葉を受けて私は馬車を走らせた。
不思議と不安は無い。何かあってもジェイドやアスランがいると思うと心には何の不安は無く、むしろ安心している。馬車をしばらく走らせ、森の中に入ると次第に人間の気配を感じ始める。この気配はジェイドたちのもではない。ならこの気配は――
「そこの馬車止まれ!」
声と共に数十人の盗賊団と思われる連中が森の中から出てきて馬車を囲む。それぞれが武器を手にしている。
「(…怖いくらい思った通りに事が進むなぁ)」
強いて違うというならば出てくるタイミング予定より早かった事。もう少し森の奥に行ってから出てくると思っていてたんだけど。
「馬車から降りろ」
その言葉には逆らわずに手を上げながら馬車から降りる。私の姿を確認すると、盗賊団たちは驚きの表情を見せた。大方、降りてきた業者が女の私だったからだろうけど。
「おい」
「…ああ」
更に思った通りの反応。「女だ」、「こりゃいい」っと、女が一人…なら下衆な連中だったら考えることは一つだ。これも作戦のうちなんだけどな。