04 触れなくても消えぬ傷
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「紫鶴」
支度を終えてテントから出ると声を掛けられた。声を掛けたのはアスランで、話途中だった兵士に「頼んだぞ」とだけ言って私の傍に寄ってくる。
「アス…フリングス少将」
職務中だということを忘れてつい癖でファーストネームで呼びそうになった。
「これから街に行くのかい?」
「はい。早めに行ってローズ夫人にも説明しないと」
決行は明日の夕方。後一日しかないから急がなくてはいけない。
「本当は君にはこんな事をして欲しくは無いけど…今は背に腹は代えられない。頼んだよ、君は絶対に私たちが守るから」
「ありがとう」
アスランの言葉ににっこりと微笑む。みんなが心配してくれている…それだけで私には力になる。
ジェイドとアスランが近くで守っていてくれているってだけで何の心配も無い。絶対に大丈夫。
「それじゃ、行ってくる」
マントのフードをかぶって陣営を後にする。失敗できない作戦。失敗すれば私はもしかしたら大怪我をするか死んじゃうかもしれないし、エンゲーブにも被害が出るかもしれない。それでもやらなければならないんだ。
エンゲーブに戻り、ローズ夫人に作戦を説明する。作戦の内容にローズ夫人はいい顔をしなかった。かなり無理のある作戦といえばそうなんだけど…。
「大丈夫なのかい?」
「えっ?」
思わず聞き返してしまえばローズ夫人は私が危険じゃないのかってことが心配みたいだ。まぁ、17のか弱い(?)少女が囮になるとか言っているからなんだだろうけど。
「大丈夫ですよ。これでも私だって軍人なんですから」
剣の腕にも自信はありますよっと笑って答えると「そうかい」とやはり心配のようだった。どの道ここまで来たら中止は出来ない。後は野となれ山となれだ!