26 背けられぬ真実
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「で、噂って?」
はいはーい、と手を挙げるアニス。さっきの話でちょっと意気消沈してるところに一度止めた話題を持ってくる。
「紫鶴が二人いるかもって思ったやつだよな」
初めて顔をと言っていいのか、まあ、再会したのはコーラル城。あの時はちゃんと顔を見てない。顔を確認したのはバチカル廃工場を出た時。
「……マルクト軍に彗星の如く現れた女軍人、『蒼炎の瞬光』……」
「なんでそれをぉぉっ!?」
「いや、世界中で有名だから」
紫季までもそれを知ってるとは……噂って怖い。あっけらかんと返したのはアニスで、私は世界中に恥を晒された気分になって窓をドンドンと叩く。
「もう一個のも知ってる?」
ケラケラと笑いながら、紫季に問う。止める間もなくそれを聞いちゃうもんだから、どうしようもなく、ゆっくりと紫季の方へと首を向ける。
「知ってる」
それを聞いた瞬間、無言でジェイドの胸倉を掴んだ。訴えるように睨みつけたけど、向こうはニコニコしてるし。
「諦めなさい」
「いやぁぁぁーっ!」
そこまでハッキリ言われたもんだから、胸倉を掴んだまま奇声を発してしまった。
「それで紫鶴がマルクト軍にいるって知ったの」
「ああ」
このやりとりをスルーしたのはティアと紫季。そりゃみんなは知ったこっちゃないだろうけど。
「それを確認するために、カイツールに行ったんだ」
アッシュが去るときにチラリと見えたマントの男。あの時は遠目から確認しただけだったと。
「で、疑問に思ったと?」
疑問もだけど私の胸ん中には曇天が広がった気がする。なんか色んな事がありすぎて、頭がついていかない。ジェイドに軽く頭を撫でられて、溜息吐いて、また紫季の側へと寄った。