26 背けられぬ真実
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「俺は……見舞いに行ったんだよ」
「誰の?」
窓に背を預け、少しぶっきらぼうに話し始める。お見舞いって聞いて、気になったからそう訊ねたのに、すごく残念そうに哀れそうな顔を向けられた。
「紫鶴の、ですか」
「私ぃ~!?」
しっかりと興味を持ったぞって言わんばかりの笑みを浮かべるジェイド。予想外の答えに驚いて紫季を見たけど否定はされなかった。
「事故の話を聞いて義父さんが……行ってこいって」
っても事故から随分経ってからで、すぐだと分家の者のに会うといけないからって。一応気を遣ってくれたみたいで、俺としては正直複雑だったけどな。と視線を下に落としたまま話す。
「紫鶴は向こうでは死んだわけではないんですか?」
「俺が病院に行ったのは事故の話を聞いてから三ヶ月後。怪我は大したことないのに意識だけが戻らない」
どうやら手足の骨折と軽く頭を打っただけ。検査も平気だったのに、いつまで経っても目を覚まさない。
「私生きてるんだ…」
「他人事みたいだな」
腕を胸の前で組む。ちょっとした新たな疑問。けど言い方が問題だったのかみんなの表情が怪訝なものになった。
「そういう意味じゃなくて……」
「向こうとこちら、紫鶴が二人存在しているかも知れないと言うことですか?」
私の疑問をジェイドが代弁する。そう、それ。とジェイドを指さすと、それについては注意されたけど、みんなはそう言うことかと納得する。
「俺もオールドラントに来てから暫くして聞いた噂で疑問に思った」
「噂って?」
元の世界で姿を見た後にトリップした世界で私がいることを知った。
「てか、話が反れたな」
今知りたいのはそこじゃないだろと指摘され、そうだったと話の続きを促す。