26 背けられぬ真実
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「……暗号だけを消せるなら、なんとかなるかもしれません」
ルークがジッとジェイドを見つめる。発した言葉を確認するように見つめ返し、一呼吸おいて彼は言った。
「ルーク!あなたまだ制御が……!」
「訓練はずっとしてる!それに、ここで失敗しても何もしないのと結果は同じだ」
ルークの言うとおりだ。肝心なのは結果だ。過程が良ければ結果は自ずと出る。
「議論してる暇はねぇだろ。ならさっさとやれよ」
「間違いないけどもう少し柔和に言おうよ」
うーん、さすがアッシュと気が合うだけあるのかな。ちょっとルークがムッとしたけど時間がないのは確かだから、ジェイドへと向き直り指示を出すよう促す。
「第三セフィロトを示す図の、一番外側が赤く光っているでしょう。その赤い部分だけを削除して下さい」
一歩前に出て両手を天へと翳す。集中し始めるとルークの手が小さく光り出した。超振動を用いて、ジェイドの指示通り赤い部分をゆっくりと削っていく。赤い輪が無くなると、セフィロトから小さな小さな光があふれ出す。
「……起動したようです。セフィロトから陸を浮かせるための記憶粒子が発生しました」
「それじゃあセントビナーは、マントルに沈まないんですね!」
操作盤を見上げたままだけど、さっきのような険しい表情が消えたのを見てティアにも笑みが零れた。ガイやナタリア、アニスにも安堵の表情が浮かぶ。もちろん私も。
「……やった!やったぜ!ティア、ありがとう!」
「わ、私は何もしてないわ。パッセージリングを操作したのはあなたよ」
歓喜のあまりか、ルークはすぐ側のティアに抱きつき、しっかりとその手を取る。随分と大胆なことをするようになったなぁと思わず思ってしまう。でもわかる気もする。罪を犯した自分に何が出来るのか。今の私には恩人であるジェイド、ピオニー、アスランを守ることくらいしかできない。何か出来たという事は素直に嬉しいものだ。