04 触れなくても消えぬ傷
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時間もないから手段も選んでいられない。賛成はしたくはないが、現段階でこれ以上の作戦は出てこないと悟ったジェイドとアスランはそのように進めるとテントから出て行った。私も準備に掛かる為に村に向かう為にテントを出ようとしたときにピオニーに呼び止められた。
「どうかしました?」
怒っているような表情にも見えるピオニー。腕を組んでじっと私と睨みつけるように目を細めている。
「…どうしたじゃない。何であんな危険な役を買って出たんだ?」
心配してくれてる?でも何で?疑問が頭に浮かび、頭を傾げる。私が理解できないことに苛立ったのか頭をがしがしと掻くピオニー。
「紫鶴…お前がそこもですることは…」
「何で?私は軍人だし、囮任務じゃなくてもこういった任務は何度もこなしてるよ…それに私を軍人にしたのはピオニー、あなただよ」
真っ直ぐピオニーを見据えてそう告げれば彼は絶句する。私はそのままテントを出た。
「盗み聞きは趣味なの?」
「おや、バレましたか」
テントを出てすぐ脇に兵に作戦を指揮しに行ったはずのジェイドが立っていた。いつものおどけた感じの口調だが、盗み聞きを私が感づいていることは分かっていたはず。
「陛下にフォローよろしくね。んで、この作戦から降りる気もないから」
「ここまできたら私は反対しませんよ。囮作戦といっても私とフリングス将軍と数名の兵は近くに隠れていますし、あなたの腕は私は信用していますよ」
振り返ることなく言うと、ジェイドはそう返した。まさかジェイドから"信用"してるなんて言葉聞けるなんて思っていなかったが、ちょっと嬉しくなった。首を少しだけジェイドのほうに振り返って「ありがと」と呟く。
「頼りにしてますよ、紫鶴」
最後にジェイドが言ってテントの中に入っていった。ピオニーのことは彼に任せて私は目的地であるエンゲーブに向かおうとしたが、軍服では目立ってしまう為、私服に着替えてマントを羽織る。