26 背けられぬ真実
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「話って何?」
みんなには先にアルビオールに行っていてもらい私たちはティアの家にお邪魔している。わざわざ私たちだけに話って何だろう?と首を傾げれば、ジェイドに盛大な溜息を吐かれた。
「私ではなく、あなたがあるのでしょう?」
もう忘れたのですか?ああ、そう言えば。今度会ったときに全部話すって決めてたんだっけ。紫季が養子に出された経緯も両親の死も、話すって。紫季も聞いてくれるって。
「そうだったね」
ここでも壁により掛かる紫季へと向き直る。さっきのことがあるからか何だか機嫌が悪そう。うーん、この状態で話す予定じゃなかったんだけどな。原因であるジェイドを横目で見れば、頑張りなさいと言わんばかりの満面の笑みを浮かべている。憎たらしいったらありゃしないんだから。
「どこから話そうかな……麻生のおじさんから葛城の家の事って何か聞いたことある?」
本家のことは分家も知っている。だから私と紫季は引き離された。今までからの様子だと何も聞かされてないと思うんだけど。当時四才の紫季にその事情を話しても理解できなかっただろう。私だって聞かされたのは、あの事故の後だ。
「なんだよ、それ……」
眉間に皺を寄せ、睨むようにこちらを見る。おじさん……まだ話してなかったんだ。梓水を渡してたから話してあるかもって思ったけど。
「紫季も知っての通り、私は……両親を殺した」
思い出したくない。でも決して忘れてはいけない私の罪。両親が亡くなったのは知らされていた筈。ただ、殺されたって風に聞いたかはわからないけど。
「十才の時、この葛の葉で斬ったの」
腰に差していた刀を両手で持って見下ろす。今でもあの感触は忘れられない。目を閉じれば鮮明に思い出される。軍人で落ち着いてられるのはジェイド、ピオニー、アスランのおかげ。その恩も決して忘れない。