25 希望は常に
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「紫季ーっ!」
「うおっ!?だ、抱きつくな!」
アルビオールで崩落し掛かっているセントビナーへと降り立つ。私はすぐに集まっている住民たちの中から紫季を見つけだし飛びつく。よろけながらも受け止めてくれた紫季は怒鳴るものの剥がそうとはしない。なんだか嬉しい。
「はいはい。姉弟水入らずはここから離れてからにして下さい」
「ぶー」
ジェイドに軍服の襟を引っ張られる。あなたはどこの国の軍人でしょう?と言われては仕方ない。
「あなたも手伝って下さい。あと、怪我人は?」
「俺が治した。どっちかというと崩落による恐怖で精神的不安定な奴のほうが多い」
やっぱ紫季ってば第七譜術士なんだ。同じ姉弟でも違うんだなぁ。しかも……なんか紫季、何気に人気者?アルビオールに乗るために移動する住民はみんながみんな紫季に感謝の言葉を口にする。紫季も手を挙げてそれに答える。
「皆、彼には感謝しとるよ」
「元帥。無事で何よりです」
「話は後にしましょう。とにかく乗って下さい」
アルビオールが降り立ってから地面の揺れが激しい。そろそろディバイディングラインを越えるところなのか。ここで崩落に巻き込まれたら元も子もない。
「紫季も早く乗って」
「……あんたは?」
私はどこか隠れてる人や体調を悪くして動けない人がいないか探してから乗るから、と背中を押す。大体の住民が乗ったのを見て後をルークたちに任せ私とジェイドは広場を一周して誰もいないか確認する。
「大丈夫そうかな?」
「そうですね。私たちもアルビオールに戻りましょう」
数日間、紫季たちはここで過ごしていたんだし誰もいないとは思ったけど。崩れた街を見回し、先を走るジェイドの後を追う。この街は好きだった。元帥や将軍がいてソイルの木があってよく登って。任務でよく来たこの街がまた元に戻ることをただ願う。