24 偽りなく君の手を取る
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「わしらのことは気にするなーっ!それより街のみんなを頼むぞーっ!」
取り残された元帥が大声を上げる。このままだとアクゼリュスの二の舞になると言うのに。
「紫季!」
「俺のこともいい。今は目の前のことを考えろ」
自分の立場を忘れるな。ジッと私を見つめて言う紫季。私はマルクトの軍人なんだから、避難する住民を守れと言いたいんだ。でも、紫季が死んじゃう。せっかく話が出来るチャンスだったのに。
「紫鶴。確実な方法を考えましょう」
「……うん」
過ぎるのは目の前で泥の海へと消えていったジョンのお父さん。紫季もあんな風になっちゃうんじゃないかって不安になる。
「くそっ!どうにかできないのか!」
「空が飛べればいいのにね」
この世界に飛行機はない。これだけの人数を乗せられる飛行機があればいいのに。世界が違うだけで目の前の人たちを誰一人助けられないのが悔しくて仕方ない。
「私の世界なら……」
救援用のヘリとか出せただろうに。ぽつりと呟いたアニスの言葉にみんな視線を地面へと落とす。それができたならどんなにいいだろうか、と。
「……空か。そういえば、シェリダンで飛行実験をやってるって話だよな」
少し考えながら口元に手を置いてガイがそう言った。その言葉にみんな一斉にガイを見る。
「飛行実験?それって何なんだ?」
「こってにも飛行機あるの?」
そんな実験をやってるところがあったなんて、シェリダンか。キムラスカだから行ったことはないんだよね。
「確か教団が発掘したっていう、大昔の浮遊機関らしいぜ。ユリアの頃は、それを乗り物につけて空を飛んでたんだってさ。音機関好きの間でちょっと話題になってた」
音機関オタク凄い。よくそんな事知ってるなぁ。それより二千年前は普通に飛んでたんなら、なんで今は退化しちゃったんだろう。普通は進化していくものなのに……あ、でもユリアシティの造りって今のとなんか違ったっけ。